MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

リーダーシップ開発と倫理・価値観(LEV)

リーダーになる(ウォレン・ベニス)

『リーダーになる』(ウォレン・ベニス)(◯) リーダーシップの本質は、自由で豊かな自己表現にある。リーダーシップ論の世界的権威である著者の最高傑作と称される一冊。本書は、1989年に刊行された原書を2008年に増補改訂版として再発行されたものです。…

なぜリーダーは「失敗」を認められないのか(リチャード・S・テドロー)

『なぜリーダーは「失敗」を認められないのか』(リチャード・S・テドロー)(◯)<2回目> 久しぶりに再読してみましたが、前回読んだ4〜5年前に比べて良書だという感じ方が高まっていました。おそらくその間の自分の経験によるものだと思います。本書は…

志を育てる(グロービス経営大学院・田久保善彦)

『志を育てる』(グロービス経営大学院・田久保善彦) 本書は、グロービス経営大学院生必須の課題図書です。志とは何か、志はどのようなプロセスで醸成されるのか、どうすれば志を醸成することができるのか。30名以上の学生に対する調査を取りまとめた帰納法…

本物のリーダーとは何か(ウォレン・ベニス、バート・ナナス)

『本物のリーダーとは何か』(ウォレン・ベニス、バート・ナナス) 「マネジメントはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをする」。エンパワーメント、ビジョン、信頼、組織の価値観や行動指針・・・本書は、リーダーシップの第一人者である著者がリ…

なぜ、あの人に部下はついていくのか(ニコラオス・ディミトリアディス他)

『なぜ、あの人に部下はついていくのか』(ニコラオス・ディミトリアディス、アレクサンドロス・サイコギオス)(◯) 本書は、リーダーシップを発揮できる脳を理解し、従来のリーダーシップやビジネスの考え方も活用して、脳をリーダーシップ向きに強化する…

なぜマネジメントが壁に突き当たるのか(田坂広志)

『なぜマネジメントが壁に突き当たるのか』(田坂広志)(◯) 本書は、著者が「私のマネジメント原論」と称されるもので、経営には様々な逆説がなぜ生まれるのか、どうすればそれらの壁を乗り越えられるのかという点を、「暗黙知の経営」の観点から、連続講…

最前線のリーダーシップ(ロナルド・A・ハイフェッツ、マーティ・リンスキー)

『最前線のリーダーシップ』(ロナルド・A・ハイフェッツ、マーティ・リンスキー)(◯) 本書は、初版から15年ぶりの改訂版です(初版の日本発売は2007年)。現場の最前線でリーダーシップを発揮して行動する人たちは、様々な人々の抵抗にあって傷つくことに…

リーダーシップ入門(金井壽宏)

『リーダーシップ入門』(金井壽宏)(◯)<3回目> 読むたびに理解が深まり、良書だと思えるようになってきたのは、自分の経験値が積み上がってきたから?そんな風に思える内容の濃い一冊です。実務家と学者の両方の観点からリーダーシップにまつわる多く…

リーダーの使命とは何か(フランシス・ヘッセルバイン)

『リーダーの使命とは何か』(フランシス・ヘッセルバイン)(◯) 著者は、全米ガールスカウト連盟初の現場出身のCEOを経て、ドラッカー財団の初代プレジデント兼CEOを10年間務め、「米国最高のマネジャー」としてビジネスウィーク誌を飾った方。本書は、著…

マンガでやさしくわかるU理論(中土井僚)

『マンガでやさしくわかるU理論』(中土井僚) 一向に進まない『U理論』。第1版で挫折し、第2版でも100ページあたりで止まったまま。「このままではいかん!」と思って、買ったのが、このマンガ版。率直の印象は、「わかりやすくていい!」。ビジネス本を…

ビジョナリーカンパニー4(ジム・コリンズ)

『ビジョナリーカンパニー4』(ジム・コリンズ)(◯) 不確実性の時代を、企業はいかに生き抜くか。10x型企業として、①10x企業へ歩み始めた当初は歴史の浅い中小企業であり、②置かれた環境がきびいにもかかわらず、③15年以上に渡って目覚ましい実績を上げた…

なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー)

『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー)(◯) 著者は、『なぜ人と組織は変われないのか』でも有名なハーバード大学大学院教授。大半の人が「自分の弱さを隠す」ことに時間とエネルギーを費やしてしまって…

イノベーションのDNA(クレイトン・クリステンセン他)

『イノベーションのDNA』(クレイトン・クリステンセン/ジェフリー・ダイアー/ハル・グレガーセン) 『イノベーションのジレンマ』シリーズ。破壊的イノベータに共通する5つのスキルとそのフレームワークを組織やチームに適用する方法について述べられた…

40歳が社長になる日(岡島悦子)

『40歳が社長になる日』(岡島悦子)(◯) グロービス経営大学院の人気講師でコンサルタントとして独立開業されている岡島先生の最新刊です。これからの非連続成長の時代に経営の舵取りをする経営トップの役割に着目し、これまで多くの経営者と課題解決を重…

新1分間リーダーシップ(ケン・ブランチャード他)

『新1分間リーダーシップ』(ケン・ブランチャード他) 1分間シリーズを読み進めています。本書は、1981年に出版された『1分間リーダーシップ』の改訂新版です。『新1分間マネジャー』で1分間目標・1分間称賛・1分間修正を身につけた主人公がリーダー…

ソース(マイク・マクマナス)

『ソース』(マイク・マクマナス)(〇) 友人から紹介された本書。生きる源である「ワクワク」(個性)は、心の扉を開く鍵であり、自分の中のワクワク探しは一回きりの発見で終わる訳ではない。ワクワクの源(=ソース)を発見すれば、自分の情熱や生き方と…

ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」(ジャック・ウェルチ&スージー・ウェルチ)

『ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」』(ジャック・ウェルチ&スージー・ウェルチ)(〇) 日本の経営の神様が松下幸之助さんなら、世界の経営の神様は、1981~2001年までGEのCEOを務めたこの方。2005年の『ウイニング』からはニュートロン・ジャック…

平時の指揮官 有事の指揮官(佐々淳行)

『平時の指揮官 有事の指揮官』(佐々淳行) 平時のリーダーシップ、有事のリーダーシップと言ってもよい、リーダーシップ本です。著者は、警察庁出身で防衛庁官房長、防衛施設庁長官等を歴任した危機管理のプロであり、現場の経験に基づき、有事と平時を比…

これからのマネジャーの教科書(田久保善彦)

『これからのマネジャーの教科書』(田久保善彦)(〇) 部下を持つマネジャーの方にお薦めの一冊です。グロービス経営大学院の田久保先生、共同執筆者には共に学んだ方々の名前が並ぶので、迷わず購入したのですが、ある種仲間内ということは差し引いても、…

人間を磨く(田坂広志)

『人間を磨く』(田坂広志)(〇) 『知性を磨く』、『人は、誰もが、「多重人格」』と並ぶ三部作。人間関係が好転する「こころの技法」をまとめた本書。非のない人間を目指して生きる視点ではなく、非も欠点もある未熟な自分を抱えて生きるという視点から、…

WHYから始めよ!(サイモン・シネック)

『WHYから始めよ!』(サイモン・シネック) 少し鍛錬すれば、どんなリーダーや組織でも、組織の内外の人たちに感銘を与え、やる気を起こさせ、アイデアやビジョンを発展させる手助けができる。本書は、人を奮起させ感激させ、鼓舞することに成功した個人や…

志を継ぐ(上甲晃、鍵山秀三郎)

『志を継ぐ』(上甲晃、鍵山秀三郎) 長年、松下政経塾の中枢で活躍され、「志」というテーマを追求されている上甲氏とイエローハット創業者で「凡事徹底」「平凡なことを非凡に務めること」の偉大な力を実践を通じて体得された鍵山氏の対談をまとめた本です…

経営者の条件(P.F.ドラッカー)

『経営者の条件』(P.F.ドラッカー)(〇)(4回目) もやは殿堂入りの一冊。言うことなしの名著です。今から約半世紀前の1967年発行の本書。今でもバリバリ現役で役立ちます。内容は、成果を上げるために自らをマネジメントする方法についてまとめられてい…

言志四録 抄録(佐藤一斎、訳者 渡邉五郎三郎)

『言志四録 抄録』(訳者 渡邉五郎三郎)(〇) 何とも味わい深い一冊。まず体裁が素晴らしい。見た目から読む気がアップします。B5判サイズに毛筆体の大きな文字で言志四録の原文が書かれ、その横に訳文、古典を中心とした関連文が掲載されています。内容は…

知命と立命(安岡正篤)

『知命と立命』(安岡正篤)(〇) タイトルどおり、深~い内容でした。読み手の資質が問われるといっても良いと思います。本書は人間学講話シリーズの1冊で、東洋政治哲学・人物学の権威である著者らしい、中国古典の名言を引用しながら、「命」(めい)と…

厳選!受講期間中に読みたい私のお薦め本(2015年12月末時点)

『厳選!受講期間中に読みたいお薦め書籍』(2015年12月末時点) 「授業前に読んだほうがいいお薦め本は?」とのご質問を頂いた際に、お薦めしている厳選書籍です。半年ぶりに更新いたしました。 (☆=最初の1冊としてお薦め) 【クリティカルシンキング】 …

安岡正篤 人間学(神渡良平)

『安岡正篤 人間学』(神渡良平) 本書は、陽明学者である安岡正篤さん(1898~1983年)の著書から人間学にまつわる部分を100余り引用して解説を加えたものです。歴代総理の指導者として政治の節々に登場し、官僚・財界の教育に当たった安岡さんの教えの要点…

嫉妬学(和田秀樹)

『嫉妬学』(和田秀樹)(〇) 企業家リーダーシップの授業で堀学長からお薦め書籍としてご紹介があった本書。嫉妬には、足を引っ張る”エンビー”嫉妬と、上を目指す”ジェラシー”嫉妬がある。方や人間を恨みの塊のようにして、相手だけでなく自分までも不幸い…

意思決定12の心得(田坂広志)

『意思決定12の心得』(田坂広志)〔kindle版〕 本書では、意思決定に必要な能力と、それを身につけるための心得を説いています。マネジャーの最も重要な仕事である意思決定。「絶対の正解」はない意思決定は、全身全霊を込めると、自らの精神を鍛え、深め、…

知性を磨く「スーパージェネラリスト」の時代(田坂広志)

『知性を磨く「スーパージェネラリスト」の時代(田坂広志)』(2回目)(〇) あすか会議2015の最後を締めくくられた田坂先生。講演の演題は本書のタイトル通りで、内容も本書に沿っていましたので、復習として読みなおしました。 今回は、特に、講演で印…