MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

歴史

一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書(山崎圭一)

『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』(山崎圭一)(◯) そんなに日本史に興味ない人でも読みやすいと思います。①年号が全く登場しない、②古代から現代まで1つの物語で繋がる、③政権担当者を主役に展開というのが特徴。著者は、公立高校教師でYouT…

『論語』がわかれば日本がわかる(守屋淳)

「『論語』がわかれば日本がわかる」(守屋淳)(◯) お友達にご紹介いただきました。「日本人らしさ」がどこから来ているのか。多くの日本人を無意識に縛っている常識や価値観とは何か。そのルーツを知るために参考になる一冊です。中国古典をわかりやすく…

見る 歩く 学ぶ 京都御所(らくたび文庫)

『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(らくたび文庫) 京都の魅力を53のテーマに分けて文庫化したシリーズ。本書は、京都御所、仙洞御所、大宮御所、修学院離宮、桂離宮について解説した一冊。写真とコンパクトな解説かつ、テーマが絞られているので、建物や庭の一…

獄中からの手紙(ガンディー)

『獄中からの手紙』(ガンディー)(◯) インド独立に尽力したガンディーの自著です。1930年に刑務所に収監されていた際に書かれた手紙で修道状の戒律を検討した内容が紹介されています。いやはや、すごい人です。あり方もすごいですし、ここまで広い目で深…

絵で見る十字軍物語(塩野七生)

『絵で見る十字軍物語』(塩野七生) 本書は、『十字軍物語』全3巻のダイジェスト版のような存在。ページ左にギュスターヴ・ドレの美しい版画絵(ドレの版画絵は、ミショーが書いた『十字軍の歴史』の挿絵として書かれたものです)、ページ左に地図と要点が…

十字軍物語Ⅲ(塩野七生)

『十字軍物語Ⅲ』(塩野七生)(〇) シリーズ最終巻。第三次~第八次十字軍までの約100年間が描かれています。 (印象に残ったところ‥本書より) ■第三次十字軍 ・1190年:リチャードとフランス王フィリップ二世、ヴェズレーで合流、第三次十字軍として中近…

十字軍物語Ⅱ(塩野七生)

『十字軍物語Ⅱ』(塩野七生)(〇) シリーズ全3巻。第Ⅱ巻は、第2次十字軍遠征。十字軍遠征とは、中世に生きるヨーロッパのキリスト教徒にとっては、「神が望まれたことをする」という、信者にしてみればこの上もなく正当な行為とされます。第1次十字軍で…

十字軍物語Ⅰ(塩野七生)

『十字軍物語Ⅰ』(塩野七生)(〇) 昨年『ローマ人の物語』ではまってしまった、塩野七生ワールド。8月に入り、今年も新たなものを読んでみたいと思って手に取ったのが本書。1100年頃~1300年頃までの約200年間に8回の遠征を繰り返した十字軍。聖地イェル…

この国のかたち(司馬遼太郎)

『この国のかたち』(全6巻)(司馬遼太郎) 本書は、雑誌「文芸春秋」の巻頭に1986~1996年まで10年間連載された随筆集です。現在の日本の思想や原形にまつわるさまざまなテーマについて、歴史的視点から綴られており、大きな時代の流れの中で現在を捉える…

ローマ人の物語Ⅸ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅸ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第9巻「賢帝の世紀」は、トライアヌス帝、ハドリアヌス帝、アントニウス・ピウス帝の3名の生涯が描かれています。いわゆる五賢帝時代のど真ん中の時代を生きた3人。安定していたからさぞかし優雅な皇帝…

世に棲む日日(司馬遼太郎)(一)~(四)

『世に棲む日日』(司馬遼太郎)(一)~(四)<2回目> 吉田松陰、高杉晋作を描いた全4巻。久しぶりに本棚で目にとまり、吉田松陰を中心に振り返ってみようと、再読してみました。幕末、揺れに揺れた長州藩において、情熱と思想の象徴的な人物たち。司馬…

サピエンス全史(下)(ユヴァル・ノア・ハラリ)

『サピエンス全史(下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ) 認知革命、農業革命に次ぐ、科学革命が下巻の主テーマ。近代に至って、なぜ文明は爆発的な進歩を遂げ、ヨーロッパは世界の覇権の握ったのか。帝国に資本された科学技術の発展に伴って、「未来は現在より…

サピエンス全史(上)(ユヴァル・ノア・ハラリ)

『サピエンス全史(上)』(ユヴァル・ノア・ハラリ) 「文明の構造と人類の幸福」というサブタイトルが付された、上下巻に渡る人類史の大作。裏表紙に記載された本書の紹介文を引用してみます。 「アフリカでほそぼそと暮らしていたホモ・サピエンスが、食…

ローマ人の物語Ⅷ(塩野七生)

ローマ人の物語Ⅷ(塩野七生)(〇)<2回目> 第8巻「危機と克服」。紀元68~97年までの29年間に皇帝に就いた7人、ガルバ、オトー、ヴィテリウス、ヴェシパスアヌス、ティトゥス、ドミティアヌス、ネルヴァの苦悩と悲嘆に埋め尽くされた時代が描かれてい…

ローマ人の物語Ⅶ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅶ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第7巻「悪名高き皇帝たち」。初代皇帝アウグストゥスの後を継ぐ4人の皇帝の物語。カエサルが企画し、アウグストゥスが構築し、ティベリウスが盤石にしたローマ帝国は、その後、カリグラ、クラウディウス…

ローマ人の物語Ⅵ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅵ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第6巻「パクス・ロマーナ」は、カエサル暗殺後の覇権争いを制したオクタヴィアヌス(アウグストゥス)が主人公。共和政から帝政への移行を保守派である元老院派の賛同を得ながら巧妙に成し遂げていく一冊…

ローマ人の物語Ⅴ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅴ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第5巻、ユリウス・カエサル(ルビコン以後)。元老院最終勧告(非常事態宣言)を受けたカエサルが、軍隊を解散せずにルビコン川を渡り、国家反逆罪を犯した紀元前49年(51歳)から、紀元前44年(55歳)の…

ローマ人の物語Ⅳ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅳ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第4巻「カエサル ルビコン以前」。ローマ人の物語を全15巻を通して、1番の英雄といってよいユリウス・カエサルの前編です。本書は生い立ち~「賽は投げられた」で有名なルビコン川を渡った紀元前49年1月…

ローマ人の物語Ⅲ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅲ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第3巻「勝者の混迷」。2周目に入り面白さが増しています。1周目では、第2巻のハンニバルと第4巻のカエサルに挟まれた、箸休め的な第3巻という印象でしたが、この3巻のポエニ戦争終結後の統治上の混…

ローマ人の物語Ⅱ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅱ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第2巻は、丸ごと1冊ポエニ戦争。名将ハンニバルVS名将スキピオを描いた「ハンニバル戦記」です。2人は12歳の年齢差があり、まず向かうところ敵なしのハンニバルの活躍。そして、後半はハンニバルのイタ…

アウグストゥス(アントニー・エヴァリット)

『アウグストゥス』(アントニー・エヴァリット) ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス。混乱していた共和政ローマを整然たる皇帝の独裁へと変え、その後ヨーロッパが一つの地域、ひとつの文化としてまとまる基礎を築いた創設者。華やかさや偉大な政治的天才で…

ローマ人の物語Ⅰ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅰ』(塩野七生)(〇)<2回目> 今年完読しましたが、あまりにおもしろく、2周目に突入。2周目は読むスピードも早くなり、ストーリーが頭にも入りやすくなってきます。自ずと見えてくるものが多く線引き箇所も増えます。2周目はもう一…

『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック(塩野七生)

『『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(塩野七生) 『ローマ人の物語』全巻のエッセンス、多数の写真、人物録をはじめとしたコラム、著者へのインタビューなど、本編を読み終えた後に復習を兼ねて読むのに適した一冊です。 (印象に残ったところ‥…

ローマ人の物語ⅩⅤ(塩野七生)

『ローマ人の物語ⅩⅤ』(塩野七生)<完>(〇) 「なぜ」よりも「どのように」衰亡していったのか、に重点を置いて書かれた最終巻。「一国の歴史も一人の人間の生涯に似ている。徹底的に分かりたいと思えば、その人の誕生から死までをたどるしかないという点…

ローマ人の物語ⅩⅣ(塩野七生)

『ローマ人の物語ⅩⅣ』(塩野七生)(〇) 第十四巻「キリスト教の勝利」は、337~397年までの期間を、コンスタンティウス帝、ユリアヌス帝、司教アンブロシウスの3名を中心にまとめられています。 313年に公布された「ミラノ勅令」。蛮族侵入への対処が国家…

ローマ人の物語VⅢ(塩野七生)

『ローマ人の物語VⅢ』(塩野七生) 第十三巻「最後の努力」は、284~337年を統治した2人の皇帝、ディオクレティアヌス帝とコンスタンティヌス帝の時代がまとめられています。「帝政後期」(絶対君主政体に移行した時期)と呼ばれるこの時代。なぜ、絶対君主…

ローマ人の物語Ⅻ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅻ』(塩野七生)(〇) 第十二巻「迷走する帝国」は、3世紀のローマ帝国の混乱期を描いた一冊。2世紀は混乱の1年間を除けば6人の皇帝(うち5人は病死)で統治したのに対し、3世紀(正確には211~284年の73年間)は22人により統治され…

ローマ人の物語Ⅺ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅺ』(塩野七生)(〇) 第十一巻「終わりの始まり」は、五賢帝最後のマルクス・アウレリウスが半分強、残りはタイトルの終わりの始まりの皇帝になるコモドゥス、そして内乱の時代、皇帝セヴェルスの時代が描かれています。一旦歯車が狂い始…

『ローマ人の物語Ⅹ』(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅹ』(塩野七生)(〇) 第十巻「すべての道はローマに通ず」は、単行本全15巻の中でも異色の1冊。 通常の時系列の物語ではなく、ローマ帝国を支えたインフラにスポットが当てられ、ハードインフラとしての街道、橋、水道、ソフトインフラと…

ローマ人の物語Ⅸ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅸ』(塩野七生)(〇) 第九巻「賢帝の世紀」は、トライアヌス(第十三代皇帝)~志向の皇帝~、ハドリアヌス(第十四代皇帝)~ローマの平和と帝国の永遠~、アントニヌス・ピウス(第十五代皇帝)~秩序の支配する平穏~の3名の軌跡。 紀…