MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

なぜリーダーは「失敗」を認められないのか(リチャード・S・テドロー)

 『なぜリーダーは「失敗」を認められないのか』(リチャード・S・テドロー)(◯)

 アカウンティングの尾関講師お薦め本。

 事例をもとに、リーダの「否認」という行動に焦点を当てた良書。リーダーを目指す方、すでにリーダーとして成功している方にお薦めです。

(本書の中で印象に残ったところ)
GMの追い上げに対する忠言をした部下を解雇し、周囲イエスマンで固め現実を否認したフォードの事例。

〇市場を席巻するラジアルタイヤの登場に目をそむけ、小手先の対応に終わったファイアストンの事例。

〇あまりにも長い間業界のリーダーであったために、いかなる問題もこれから起こる事態の前触れではなく、単なる異常値としかとらえず、凋落したA&Pの事例。

〇あまりにも長きにわたって、ウォルマートとKマートを競合と認めず、競争力が低下してしまったシアーズの事例マーケティングの名言:”成熟したマーケットなど存在しない、くたびれたマーケティング担当者がいるだけだ”も印象的。

〇競合のプレッシャーが存在せず、やっつけ仕事でパソコンを作って、その後衰退してしまったIBMの事例。

〇アメリカの象徴というブランド特質、ブランドは消費者のものだということを忘れ、結果的に製品を改悪して、ニューコークを発売したコカ・コーラの事例。
 などなど…

 共通して言えるのは、成功しているときほど、周りが見えなくなる。良い情報しかとりたがらなくなる(いやなことから目を背ける、無視する)ということ。時には謙虚に自分を戒めることも大事。

なぜリーダーは「失敗」を認められないのか―現実に向き合うための8の教訓

なぜリーダーは「失敗」を認められないのか―現実に向き合うための8の教訓

 

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