MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

マーケティング・リフレーミング(栗木契他)

先週読んだ『マーケティング・リフレーミング』(栗木契、水越康介、吉田満梨)。

 視点を変えて売上拡大に成功した8事例をとりまとめたもの。
 著者の一方的な解釈ではなく、企業の担当者へのインタビューが掲載されており、商品開発の苦労から成功への変遷が感じられる。

(本書より一例)
 「マルちゃん鍋用ラーメン」(東洋水産)。
 
 商品開発時は、
 半生乾燥麺の製造技術を活かしたい
→ヒット商品「昔ながらの中華そば」は、すでにコモディティ化
→鍋用に商品開発できないか
→鍋の締めにラーメン?雑炊かうどんじゃないの?
→北海道でラム肉のしゃぶしゃぶの締めにラーメンが使われている
→付属のスープがいらないのでコストが安く済む
→でも、スープ付いていないラーメンなんて売れるの?そもそもマーケットが小さすぎるんじゃないの?

結果は、
 ラーメンは子供に人気
→鍋は子どもが嫌いな野菜が多く入っている。ラーメンが待っていると野菜を食べる後押しになる
→親が進んで購入
→家族で食べるので数もまとまる
というように消費者が反応し、売上が伸びたという事例

ポイントは(開発担当者の話)
・鍋用ラーメンは、用途を限定することで市場を広げた
・市場細分化で大事なことは、細分化してマーケットを小さくすることではなく、限定することでマーケットを括りだすという認識
・新しいことは、評価軸がないので、人はとりあえず反対する。これは乗り越えないといけない。

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