MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

儲けの9割は値決めで決まる(西田順生)

『儲けの9割は値決めで決まる』(西田順生)。
 次回のマーケⅠのケースがpricingに関するテーマであるが、取り組んでみると意思決定はとても難しい。
 で、pricingに関する書籍を読んでみようと思って探したら、意外にすくない。
 とりあえず目についた本を買ってみました。

 価格の決め方を解説した書籍ではなく、価格に対する感度を上げ、利益のロスを減らそうというコンサルティングの観点で書かれた書籍だった。
 経営の実態に則した記載なので、机上の空論ではない点は受け入れやすい。

(本書のポイント)
 利益のロスにつながる次の6点の管理を徹底し、安易な無償サービスは行わないこと。
①スペック(特殊スペックには特別価格、包装・梱包も価格転嫁など)
②サービス(安易な無償サービスはないか、搬入据付費の価格転嫁)
③数量(受注量・納入量など量に応じた価格設定ができているか)
④時間(鮮度を売りに価格を上げる、リードタイムに応じた価格設定)
⑤値引き(現場の勝手な値引きがないか、歩引きがないか
⑥現物(顧客に販売した商品を自社倉庫で預かっていないか)

 なかなか理屈通りにいかないかもしれないが、従業員の価格感度を上げることはとても大事なこと。
 数量を1%伸ばすより、単価(価格)を1%上げるほうが利益が上がるのは事実。価格の1%を「仕方ない」「まぁいいや」と疎かにする姿勢では、決して儲かることは無い。

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