MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

グリード(上)(下)(真山仁)

『グリード(上)(下)』(真山仁

 先週金曜日の講演会までに何とか読み終えました。
 経済小説はあまり読まなかったのですが、リーマンショックのときの印象が残っていたせいか、とても興味深く、「次どうなるの?」の連続で、随分夜更かしをしてしましました。
 面白かったので、さっそく、ハゲタカ(上)(下)も購入しました。

(真山さんの講演で印象に残ったコメント)
 演題:『お金は人を幸せにするのか?~強欲は善か悪か~』

【お金儲けの考え方】
 アメリカ人にとって、グリードは強欲・貪欲ではなく、モチベーション(お金は、結果としての成功に対する正しい報酬)のような意味に感じているかも。

 日本は、地主、山持ちなど昔からのお金持ちは何も言われない。じわじわのぼっていくお金儲けが上手な人は評価されるが、急上昇する人は叩かれる。

 根っこには、日本は一つになりたいという気持ちがある。だから、日本は一人だけ目立つ金儲け、ビジネスはダメだという発想。そこが日米の違い。

【日本の未来のために必要なこと】
 日本の未来のためには、年寄りが後身に道を譲ること。元気のある60代以上が多い。人口が多いので、その人達が一所懸命道を開けないとダメ。

 だから、若い人はチャンスを手に入れる機会が難しい。米国は、自然と敗退していく文化。なので、道は自然と開かれる。日本は年寄りを敬う文化だからこそ、リーダーよりも一世代上の人が場所を開けていくことが必要だ。

【聴衆へのメッセージ】
 一人でも社会は変えられるし、ビジネスは変えられる。足りないのは、辛抱できるかどうか。私は、15歳で小説家になりたいと思い、デビューは41歳。辞めたいと思ったことはない。

 小説家になるのは当たり前で、なってからどうするのかが問題だった。なってから先を考えていたのが結果的にモチベーションにつながった。1年や3年でダメだと思わずに、何をやりたいのかを考え続けてほしい。

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