MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

行動経済学の基本がわかる本(ハワード・S・ダンフォード)

行動経済学の基本がわかる本』(ハワード・S・ダンフォード)


 ゲーム理論やビジネス定量分析の講義の中で垣間見たくらいで、実質的には手つかずの分野でした(実務では必須ですね)。
 150ページ弱と薄く、事例も多いので、行動経済学何者なのかを理解するには、とっつきやすい本でした。

(本書のポイント)
〇人間は、決して合理的ではなく、感情に影響されて意思決定している。
 (以下のような点について、事例中心に解説しています

 ・自分の保有物には、高い値段をつける(愛車の売却時の値段は?)

 ・利得よりも損失は1.5~2.5倍に感じる
 (五分五分の勝負。負けたら1000円。
  勝ったらいくらもらえるなら勝負する?)

 ・利得と損失価値は逓減する
 (予期せずもらう1万円と2万円の感じ方、2倍喜ぶ?

 ・小さな確率を大きく感じ、大きな確率を小さく感じる
 (宝くじの1等は1000万分の1。現実よりも期待値は高くない?
 ちなみに、1000万分の1は、2万7397日分の1日。これは、旧石器時代~今日までの1日に相当するくらいの確率)

・「10%の失業率」、「90%の雇用率」、どちらが良く聞こえる?
・「油分80%カット」、「油分20%入り」、どちらのお菓子を買う?
・時間限定、期間限定は、「今のうちに買わないと」って思う?
・シリーズ商品の3つの価格帯。やっぱり真ん中を選ぶ?

 などなど‥。
 どの事例も、私は著者の意図するとおりの典型的なヒトでした。

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