MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

リーダーシップ論(ジョン・P・コッター)

 『リーダーシップ論』(ジョン・P・コッター)(〇)
 1970~90年代を中心とした、コッターの論文集です。

 今読んでも、まったく色褪せない。
 時代が変わっても、人や組織を動かす本質は変わりませんね。
 
(印象に残ったところ)
〇リーダーシップとマネジメントの共通事項
 やるべきことを決定し、課題の達成に資する人脈や人間関係を形成し、メンバーに仕事をさせるよう努力すること

〇リーダーシップとマネジメントの対比
【マネジメント】
 既存のシステムを動かし続けること。
 マネジメントプロセスは、可能な限り安全を重ねリスクをゼロにすること。
 つまり、普通の人が普通のやり方でルーティンをきちんと処理できるようにすること。
 決して、わくわくするようなものや華やかなものではないが、それこそがマネジメント。

【リーダーシップ】
 効果のある変革を生み出すこと。
 統制のメカニズムではなく、相手の価値観に訴えかけ、「人間の基本的欲求」を満たすことによって、感動させ、動機づけて参画させること。
 達成感、帰属意識、正当な評価、自尊心、自分の人生は自分の手に握られているという実感、理想に向かって生きる、という感情に働きかけること。

〇リーダーシップとマネジメントが欠如すると‥
【マネジメントが欠如すると】
 組織が大混乱に陥る。組織ごと谷底に転落するかもしれない。

【リーダーシップが欠如すると】
 組織は致命的な官僚主義に陥る。

 リーダーシップとマネジメント‥。
 どちらも大事ですが、「リーダー」って感じが全くせず、単に「管理者」って感じの人が多いように思うのは、つまるところ、変化に伴う様々なストレスから逃げたいって思う人間の本質なのかなぁと思いました。

 本書にあった、「多くの人々は、変化の少ない安定した世界を前提に教育を受け、育ってきている」という言葉も根が深い話だと考えさせられました。

第2版 リーダーシップ論

第2版 リーダーシップ論

 

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