MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

お茶の歴史(ヘレン・サベリ)〈教養〉

 2月の教養書籍、『お茶の歴史』(ヘレン・サベリ)。

 今年から月に1冊は、自分にとっての普段読まない分野の本を読もうと取り組んでいます。教養を広げたい(単純に楽しみたい)という思いと知識の偏り是正が目的です。

 秋元康さんの「企画脳」という書籍に、企画の発想力を付けるには‥というくだりで、「本屋で立ち寄るコーナーは大体決まっている。普段のコーナーから5メートル離れたところで本を買ってみると新たなことに気づける」という趣旨のことが書かれていたのを読んだのがきっかけです。

 

(印象に残ったところをいくつか‥)

〇ところ変われば茶も変わる

 中国人(小さな杯からすする)、日本人(泡を立てる)、アメリカ人(冷やして飲む)、チベット(バターを混ぜる)、ロシア(レモンを添える)、北アフリカ(ミントを入れる)、アフガニスタン人(カルダモンで風味を付ける)、アイルランド人とイギリス人(ミルクと砂糖を入れて朝昼晩と何かにつけて飲む)、インド人(コンデンスミルクを加えて煮詰める)、オーストラリア人(ビリー缶という金属製の鍋で淹れる)

〇ティーバッグの歴史

 1908年、ニューヨークで茶の輸入業を営んでいたトーマス・サリバンが顧客に茶のサンプルを送るとき、通常ブリキ缶に入れて送るところを手縫いの絹の袋に入れて送った(安上がりだった)。それを顧客がそのままポットに放り込んだのが始まり。

ボストン茶会事件(覚えてますか?)

 アメリカ独立革命の象徴的事件のひとつ。1765年、フレンチインディアン戦争の戦費にあてるため、イギリスが印紙税を制定。不買運動により印紙法は撤廃されたが、1967年アメリカが輸入している日用品・紙・ガラス・鉛・茶に新たな関税がかかる。激しい抗議運動で関税は撤廃されるが、茶のみ例外とされ関税が継続。その後、東インド会社が大量の茶の在庫を抱え倒産の危機に瀕したため、茶の関税も撤廃された。しかし、茶はイギリスの圧政の象徴となり、入植者の激しい抵抗により、ボストン港に入港した東インド会社の積み荷が降ろせず、膠着状態が続いた末に、入植者の集団が船に乗り込み、積み荷の茶箱342個を海に捨てた。

 →世界史の教科書にあったなぁ‥!

 

 お茶は歴史とともに歩み、地域の文化・コミュニケーションとともにある。お茶から地域を知ることにもつながる、そんな大切な商品ですね。

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