MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

スターバックス成功物語(ハワード・シュルツ他)

 『スターバックス成功物語』(ハワード・シュルツ、ドリー・ジョーンズ・ヤング)

 1~3月期、組織行動とリーダシップ(OBH)関連書籍の読み納めは、スタバにしました。

 この本、買って読み始めたが挫折し、1年位本棚に眠ってました。OBHの授業で最も刺激を受けたケースだったので、今回は動機づけもバッチリで最後まで到達しました。

 1998年出版で、1995年頃までのスタバの歴史が書かれています。シュルツが何を大事にして企業を立ち上げたのか。

 顧客を大切にし、パートナー(従業員)を大切にした、ぶれない価値観。

 そのあたりを意識しながら読んでみました。

 

(印象に残ったシュルツの言葉)

〇「私がスターバックスで成し遂げた最も誇れることを一つ挙げるとすれば、会社で働いている人たちとの間に築いた信頼関係である」

〇「企業が草創期の情熱と精神を失わずに大きく成長するには、利益の追求を第一とするのではなく、正しい価値観と人材を基盤とした経営が必要である。その要は真心に他ならない」

〇「親にしろ企業家にしろ自分の子供が誕生したその日から、無意識のうちに自分の信念を子どもに植え付けようとしている。いったん、子供や社員が価値観を吸収してしまったら、それを変えるのは容易ではない」

〇「CEOであろうと幹部社員であろうと、毎日仕事をするにあたって一番大切なのは、会社の価値観をほかの社員、とくに新入社員に啓蒙することだ。企業の規模に関わりなく、正しい社内文化を確立しなければ、成功はおぼつかない」

〇「パートタイマーとして働く20歳の学生や俳優志願者の手に会社の命運が託されているのであれば、彼らを消耗品のように扱ってよいはずがない」

〇「我々経営陣が肝に銘じていたのは、全社員の意見を聞くことと、寄せられた声を反映させた長期計画を立てることだった」

〇「特に重要なのは、株価ではなく、会社のために何をすればよいのかを基盤にして意思決定をしてきたことだ。スターバックスにおける私の実績の中で最も誇れるものである」

〇「願い事は慎重に選ぶことだ。願いは叶うかもしれないのだから」

〇「私の役割は、スターバックスのリーダー、夢追い人、チアリーダーであり、燃え盛る炎の見張り役である」

〇「いつまでも活力を失わないために、企業は夢想家、起業家、経営専門家、指導者のいずれのタイプの人間にも刺激を与え、やる気を起こさせるような環境を整えなければならない。それができなければ、月並みな企業のまま終わってしまうだろう」

 

 こうして見ると、やはりパートナーを通して理想とする顧客サービスを実現していることがよく分かります。

 ルールというような無機質なものではなく、経営者の強い「思い」「信念」という熱いものだと思いました。

 それが20万人のパートナーに浸透するスタバはやはりすごい。

 このすごいスタバが、一転、2007年ごろから危機に陥る。一体何が起こったのか‥?

 この危機的状況からシュルツがCEOに復帰したのがOBHの授業で取り上げられた事例。

 これについては、本書の続編である『スターバックス再生物語』を読んでみます。

 このままの勢いで、早速、明日から突入します。

 

 

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