MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

あと1%だけやってみよう(水戸岡鋭治)

 『あと1%だけやってみよう』(水戸岡鋭治

 グロービス経営大学院の学事行事である「あすか会議」に登壇される予定の水戸岡さんの書籍を読んでみました。

 

 水戸岡さんは、クルーズトレイン「ななつ星in九州」をはじめ、九州新幹線など、JR九州の鉄道デザイン、家具、建築などを手掛けるデザイナーです。

 本書は、2013年10月にスタートした「ななつ星」のプロジェクトを通じた、水戸岡さんの仕事観がまとめられています。

 

(印象に残ったところ‥本書より抜粋)

〇仕事の原点は「感動」。感動をどう仕事の中に、商品の中に落とし込めるか。それを落とし込んだ時に仕事はほとんど成功したといえる。

 

〇決して自分の好みで作っているのではない。デザイナーの仕事は、多くの人が望んでいること、考えていることをしっかり取材して、正しく通訳、翻訳して、色、形、素材、使い勝手、サービスに置き換えていく仕事。まさに代行業。

 経営者の気持ちになるときもあれば、車両メーカーの気持ちになるときもある。モノ作り職人の気持ちになるときもあれば、お客様の気持ちになるときもある。求められているものを引き出しの中から出したに過ぎない。

 

〇人間のすごいところは、情熱を持つことによって、目標をクリアできること。自分が面白いと思ったり、楽しいと感じたり、自分で何かできそうだと思うと、エネルギーが湧いてきて、いままでできなかったことができたり、瞬間的にはどうしたかは分からないけれど、不可能だったことが可能になったりする。それが、ものをつくっていくうえで一番大事。

 

〇全員があと1%能力を上げれば、多くの問題は解決する。リーダーが、「みんな、あと1%あげようよ」と言えるかどうか。もし、それができれば、ひとつ上のレベルのものが手に入る。

 

 徹底的にこだわり、やり抜き、人を感動させる。

 スゴすぎるはずなのに、とっても謙虚。そして、何より、書籍を読んでいるだけで、仕事が楽しいという感覚が伝わってくる。

 最後に書かれていましたが、この先、コーチ業に徹するかどうか、ちょうど転機を感じられていらっしゃるようです。この先の水戸岡さんにも注目したいと思います。

 

 水戸岡さんは、普段は講演はされないと本書で仰っていました。

 こういう方のお話が聞けると思うと、「あすか会議」が楽しみになってきました!

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