『ハーバードで学び、私が実践したビジネスプラン』(岩瀬大輔)
「あすか会議」(グロービス経営大学院のビジネスカンファレンス)に登壇される、ライフネット生命保険の岩瀬社長の著書を読みました。
東大卒、司法試験合格、ボストンコンサルティンググループなどを経て、ハーバード経営大学院で学び(上位5%で卒業)、その後、出口治明さんとともに、ライフネット生命を起業された岩瀬さん。
MBAの学びが現実のビジネスでどのように活かせたのかという観点から書かれた、MBA生にとって興味深い内容です。
(本書で印章にのこったところ‥本書より)
〇市場機会の発見
まずは、一切の制約なく、「何が世の中に求められているか」から発想する。
・大きく成長するベンチャーの3条件(ネット生保はぴったりはまった)
①市場が大きい
②市場に大きな非効率がある
③技術のブレークスルー、規制緩和などの環境変化がある
・各分野のプロの意見を聞くことで、仮説、検証、把握のスパイラルを加速する
〇市場分析
・「顧客にどんな価値を提供するのか?」(価値提供)
・顧客を知り尽くす
定型的なお客様は、どういう人か。年代、性別、居住地、職業といった属性だけでなく、ライフスタイルや趣味などの主観情報もあわせて、人物像を浮かび上がらせる(ペルソナ)。
・通説を疑うために:①ファクツに注目(売れない市場でも売れているものはないか?)、②違う切り口(直感ではなく、問い続ける)、③生データ
〇自社戦略
・顧客獲得単価(CPA)=宣伝活動に費やしたコスト÷顧客獲得件数
・マーケティング戦略の重要論点は、「売れる売れない」ではない。「いくらコストをかけたら、どのような時間軸で、どこまで顧客基盤が広がるか」
・マーケティングフレームワーク
①会社・商品の認知
②店(ホームページ)にきてもらう
③どのようにして消費をかってもらうか(販売)
④加入した後に商品・サービスを話題にしてもらう(口コミ・ブランディング)
〇財務戦略と組織づくり
・企業ファイナンス
①どのように資金調達するか
②調達した資金をどう投資するか
③利益をどのように利害関係者に分配するか
〇リーダーシップとキャリア論
・亡くなる間際には、だれも「もっと仕事をしておけば良かった」とは言わない。みんな、「もっと家族と時間を過ごせば良かった」と後悔するそうだ。
・がむしゃらに働き、自分に負荷をかけなければビジネスパーソンとして大きく成長できない。ただ、その先に何を求めているのか明確に意識しながら走ることが大切。
・「何をやるか」よりも「誰とやるか」のほうが充実感や満足感に影響する。
・「楽しい仕事」「つまらない仕事」という区分はない。「与えられた仕事を楽しくできるかどうか」である。
最後の、「与えられた仕事を楽しくできるかどうか」という点にすごく共感できました。なぜ、MBAで学ぶか。人によって異なると思います。
私にとってのMBAの学びは、単にビジネスで成功する(地位や報酬?)ということだけではなく、ビジネスを楽しくできるようになるための手段であると思いました。