『SWITCHインタビュー達人達 林修×岩瀬大輔』(NHKほか)
異なる分野で活躍する方が対談する「NHK Eテレ番組」が書籍化されたものです。
東大法学部出身ながら全く異なる分野で活躍されるお二人が、それぞれの仕事観や卒業後の歩みについて、互いに突っ込みあう対談形式の内容で、サラッと読める本でした。
(本書で印象に残ったところ)
〇林先生
・絶えず俯瞰して自分をみている。わりと関数的に物事をとらえ、一方的に単調増加することはありえず、必ずどこかで向きが変わるはず。風向きが変わったら、その時に対応すればいい。
・憧れの数学の先生はレッドオーシャン、国語の先生はブルーオーシャンだった。「自分がこれをやりたい」ということよりも「どこで戦ったら勝てるか」を考えていた。
・何事もそうだが、できないところに投資してもリターンも小さい。不得意科目はいくら努力しても、なかなか得意科目に転じることはない。
・話の「枕」ー導入部分をしっかりと作って、そこから本題に入っていく
・生徒から質問が出る授業は最低だと思っている。質問が出れば、それを出ないような説明を授業の中に組み込まなければならない。質問が出ないことをかなり重視している。
・仕事が面白いか?自分自身は仕事をそんなに面白いと言える人間ではない。どういう心持ちで面白くしていけるかが大事。高杉晋作の辞世の句をよく使う。
「面白きこともなき世を面白く、住みなすものは心なりけり」
〇岩瀬社長
・アメリカで学んだ成功する新規事業の3つの条件
①みんなが買っている商品を扱うこと、②そこでお客さんがみんな不満に感じていること、③そこで大きな変化が起きていること。
大きな市場に、大きな非効率・不満があって、それを変える大きな変化の波があるときに、大きなベンチャービジネスが生まれる。
・しゃべったところで、なくなってしまうようなノウハウって、ノウハウじゃない。簡単に真似できない本物のノウハウは、少ししゃべったぐらいでは伝えられない。
・小学校2年生の時にイギリスに転居し、最初はみんなと違うのが怖くてしょうがなかった。でも、5年くらい続けていると、むしろ、自分はいい意味でみんなと違う存在なんだって思い始めた。
・採用面接で重視していること
中途入社は専門性が高いことが大前提だが、それ以外は、自分の頭で考えられること。要するに、常識を疑うことができるかどうか。
異分野の方々がどんな関心や切り口で話を展開するのか、回答よりも質問に興味持ちながら読みました。異業種なんですけど、相通じる要諦が見出せてしまうところがスゴイ。