『ビジネスに効く最強の「読書」』(出口治明)
無類の本好きで知られる、ライフネット生命の出口会長の教養が身に付くお勧め図書108冊が紹介されています。特に歴史から学ぶことを重視されている著者らしく、古典や歴史上の名著がずらっと並んでいます。
著者の書籍選択の観点がとても興味深く、これからの自分自身の読書の幅を広げてくれる1冊になりそうです。
〔出口さんの本の選び方〕
書店通いの他にされていることとして、新聞3紙の日曜日の書評欄を読むこと。
新聞の書評は、次の点で有益である。
①中立性の観点から採りあげられる書籍のバランスがとれている
②著名な先生が実名で書評を書いているので信憑性が高い
〔出口さんの本の読み方〕
まず、著者が大事にしている恩師の言葉‥「古典を読んで分からなければ、自分がアホやと思いなさい。現代に生きている人が書いた本を読んで分からなければ、著者がアホやと思いなさい」。古典は、時代背景や社会事情が異なる点が読む難しさ。同時代の人が書いたのに分からないのは、著者が題材を十分に消化していないから。
・最初の4~5ページを読んで面白くないものは捨てる。面白ければ、一字一句、腹落ちするまで精読する。読むか読まないかの基準は、「面白いかどうか」。
・一冊を完全に消化するので、再読するのは偏愛するごく一部。
・速読は大嫌い。世界遺産を弾丸ツアーで回るようなもの。行ったという記憶は残るが何を観たかは残らない。
(ちなみに、私は周りの方から「速読しているの?」とよく聞かれますが、速読の知識は全く無く、普通に前から一字一句読んでいます)
・自分の頭で考える力、すなわち思考力を高めるためには、優れた古典を丁寧に読み込んで、著者の思考のプロセスを追体験することが一番の早道。
出口さんは、これだけしっかり読み込んで、週4~5冊ペース(昔はこの2倍のペース)で読まれるらしい。スゴすぎ。
それにしても、紹介されている108冊中、これまで私が読んだことがあるのは僅か3冊‥。書籍選択の観点が異なるとはいえ、何なのこの差は‥?
「そうだ、歴史上の名著を読もう!」ということで、9月までの読書テーマの一つに苦手意識のある岩波新書を強制的に加えることにしました。
第一歩として、『君主論』を読み始めました。