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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

マーケティングを学ぶ(石井淳蔵)

 『マーケティングを学ぶ』(石井淳蔵)(〇)

 マーケティングⅡのDay1前に指定教科書である本書を一読しました。

 「マーケティング・マネジメント」が一つのキーワードになっており、市場に向けてどのように戦略を練り、どう組織体制を構築するかという観点から書かれています。著者は大学教授ですが、実例をもとに実務をイメージしやすく書かれており、指定教科書となっていることが頷ける内容でした。

 

(本書のポイント)

〇マーケティング・マネジメントを求めて(序章)

・技術進歩と顧客の期待の接点を境に過小品質から過剰品質に変わる(イノベーションのジレンマ )。これを境にマーケティングのやり方は全く違ってくる。過小品質の局面は企業の積極的な技術開発は生活者の気持ちを捉える。過剰品質の局面に入ると、生活者は新機能の追加や品質のさらなる改善に対して強い興味を持たなくなる。

 

〇市場志向の戦略立案(事例:燕三条の洋食器製造業者、アート引越センター、SAS、レッツノートヤマト運輸伊藤園など)

・自身が適応すべきターゲットを絞る、そのターゲットが一番大事にしている価値を見つける。それに合わせて、自身の商品企画を根本から作り直す。ターゲットを絞ることで見えないニーズが見えてくる。

・向き合う生活者を絞り、彼らの欲しい価値を知るところからビジネスは始まる。

事業を製品あるいは手段ではなく、その製品を用いる目的や製品の果たす機能で考えるべき

・「誰のために何をするのか」に加え、どのようにやるか。どのようには、技術面とオペレーション面の2点が含まれる。

・成長経路は、①市場開拓戦略(顧客層の拡大)、②用途開発戦略、③技術開発戦略

・STPの手順ではなく、ポジショニングが先行することもある(伊藤園の緑茶事業

 「緑茶はどういう飲料でありたいか」「茶葉ではなく缶・ペット化することで市場が拡大する(単価高)」という発想から、PSTの順序で戦略が構築された。

 

〇戦略志向の組織体制の確立(事例:パナソニック、サッポロ、P&G、マンダム、JTBなど)

・市場への成長対応は、①ポジショニングによる成長、②ブランド拡張

・ ポジションニングによる成長‥当該分野の定番商品となって生活者の頭の中にブランド名を刷り込む(「ポテトチップスといえばカルビー」)
・少しずつポジショニングを変えて、製品市場のカテゴリの着実な拡大に努める

・成長期にはポジショニング方式、成熟期にはブランド拡張方式

 

〇顧客との接点をマネジメントする(事例:積水ハウスなど)

・営業プロセスのマネジメント‥①お客さんの購買ステップに従って営業ステップを対応させる、②営業のミッションを明確化する、③マネジャーの仕事を明瞭にする

・営業プロセスを分解することで、①1つのステップに限定された仕事ならこなしやすくなる、②営業の仕事のどの部分がわが社にとって大事なステップなのかが分かる、③ステップ間で担当者のフォローができ需要変動に対応できる

・マネジメント上の効能‥①案件進捗がマネジャーや経営者に見えるようになる、②顧客情報をストックできる、③案件ポートフォリオを作成することで、売上や収益の予測管理が可能となる

 

〇組織の情報リテラシーを確立する(事例:花王など)

 ・生活者から上がってくる声を組織的に収集する。市場情報に関する専門化した独立の部署を持つメリットは、①情報の扱いの標準化、②組織的共有、③組織的な偏りがなくなる。

・市場の声を組織に普及させ、使いこなすには、①組織規範の作成、②インターナルマーケティング、③一連の業務に埋め込むこと

 

 マーケティングⅡの講義では、「戦略立案」「顧客接点設計」「組織体制構築」「組織学習促進」「変化対応のマネジメント」を学ぶ予定です。

 これまでのフレームワーク中心の学びから、実行段階において、実際、現場では機能するのかというオペレーションも含めた現実的な段階が焦点となり、よりリアルな学びになりそうです。

 今回は、Day1の講義開始前に読み終えてしまったので、今一度、マーケティングⅡで学ぶ5つの観点を意識して読み直してみようと思います。

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