MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

アドラー心理学入門(岸見一郎)

 『アドラー心理学入門』(岸見一郎)

 『嫌われる勇気』に続いて、アドラー心理学の理解を深めようと思って読みました。育児に重点を置いた内容ですが、アドラー心理学の基本を分かりやすく解説した本です。

 

(本書で印象に残ったところ‥本書より)

〇育児行動の目標:①自立する、②社会と調和して暮らせる

〇これを支える心理面の目標:①私は能力がある(自分の人生の問題を自分の力で解決することができる)、②人々は私の仲間である

アドラー心理学では、行動は信念(ライフスタイル)から出てくると考える。このライフスタイルは自分が決める。

〇「なぜ?」と問うとき、行動の原因ではなく目的を答えとして期待している。人は原因によって後ろから押されて生きるのではなく、目標を設定してそれを追求すると考える。これは、どこからではなく、どこへを問うている。

〇褒めるのは、能力ある人が能力ない人に、上から下へと相手を判断し評価する言葉。親が期待するようないい結果を得られなければ、親はたちまち自分の仲間ではなくなり、実際に失敗したときには自分は能力がないと思うようになる。

〇勇気づけ

自分には課題を達成できる能力があるという自信を持つように援助すること。それには、評価するのではなく、喜びを共有すること。「ありがとう」とか「うれしい」とか「助かった」と言ってみる。下心がある場合には勇気づけにならない。

〇課題の分離

人生の課題は原則として本人が解決しなければならない。アドラー心理学では、「これは誰の課題か」を明確にする。「勉強しなさい」は子供の課題に踏み込んだことになる。他方、子供が勉強しないことが気になるとすれば、それは親の課題。原則的には人の課題を引き受けることはできないし、自分の課題を人に解決してもらうこともできない。

アドラー心理学の重要ワード:「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」

〇共同体感覚

 常に自分のことだけではなく、他者のことも考えられる。他者は私を支え私も他者とのつながりの中で他者に貢献できていると感じられること。私と他者とは相互依存的であるということ。同時にそのことは自己犠牲的な生き方を善しとする考えではなく自分も他者に貢献ができていると思えること。

 

『嫌われる勇気』×『アドラー心理学入門』で共通して強調されている点をまとめてみました。やはり、同じテーマのものを複数読むと共通点(重要な点)がわかり、理解すべきポイントが明確になりますね。アドラーに関しては、さらにもう1冊読んでみる予定です。

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