『なぜ人と組織は変われないのか』(ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー)(〇)
LEV(リーダーシップ開発と倫理感)の授業で講師から推薦があった書籍です。
全6回の講義の中で最も印象に残ったキーワード、「裏の目標」。
変革の必要性は分かっているけれども実行できない‥。これは、意志の欠如ではなく、本当の問題は、自分が本心からやりたいと望んでいることと、実際に実行できることの間に溝があることが原因‥。
「裏の目標」という言葉は、初めて聞いた言葉ですが、対処法を考える際の着眼点として、視野を広げてくれたキーワードになりました。誰かの相談にのる場合にも、とても役に立っています。
(本書で印象に残ったところ‥本書より抜粋)
〇変化を拒む免疫機能
人は思っている以上に恐怖にされされており、自然と恐怖を避けるように行動してしまう。
〇免疫マップ(考え方と例示)
こうやりたい、ああやりたいという思い(改善目標)は持っているが、なかなか思うように行動できない。通常は第2枠までで物事を考え、第2枠を改善するように考えてしまう。
・第1枠:改善目標
(例)「もっと新しいやり方を受け入れるようになりたい」
「もっと物事に柔軟に対応できるようになりたい」
・第2枠:阻害行動(改善目標の達成を妨げる要因)
(例)「新しい考え方に素っ気ない態度を取ってしまう」
「相手の意見を引き出すような問いかけをしない」
しかし、第2枠自体が「病巣」なのではなく、第2枠は「症状」にすぎない。目標が妨げられるのが分かっていながら、第2枠の行動をとってしまうのは、第2枠の行動を後押ししている第3枠「裏の目標」があるから。
つまり、第2枠の阻害行動は、意志の弱さが原因で起こる失態ではない。自分の中の別の部分が望んでいる結果を実現するうえで、極めて理想的で有効な行動だからである。
・第3枠:裏の目標
(例)「私のやり方でやりたい」
「自分が物事に直接影響を及ぼしていると実感したい」
「自分で物事を決めているという誇りを感じたい」
阻害行動は同じでもその本当の動機(その行動をとることで達成される目標)は人それぞれだと理解しておくことが重要。
・第4枠:強力な固定観念
(例)「成功を手にするための最も手堅い道は、すでに確立されている方法にのっとり、周りに期待されているやり方に沿って行動し、その枠内で傑出した成果を上げること。周りに高く評価してもらえなかったら失敗だ」
思考モデルの土台をなし、免疫システム全チアをさせている根本的な信念のこと。無批判に事実と思いこんでおり、もはやその真偽を問うことをしなくなる。
この固定観念に気づき、改められれば既存の免疫システムの足枷から一歩抜け出せる。この第1枠~第4枠を整理してみることで、自分がどのような行動をとっているせいで、本当に実現したい自己変革が妨げられているかを知ることができる。
まだ、本書の全貌を理解できているわけではないのですが、自分ができていないこと、苦手だと思っていること、避けていることなどの真相を考える際、「本当は自分は〇〇したいから」と肯定的な理由を探してみると、本音に迫れます。
もちろん、そこから先、どう考え行動するかがは自分に問われる訳ですが。
なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践
- 作者: ロバート・キーガン,リサ・ラスコウ・レイヒー
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/09/01
- メディア: Kindle版
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