『経営コンサルティング・ノウハウ マーケティング』(小倉高宏)(〇)
日本生産性本部のコンサルティング・ノウハウシリーズ(6冊)のうちの1冊。
コンサルティング機関からの出版ということもあり、コンサルタントの実務ではここまで突っ込んで分析するのか、という実務的に使える手法が満載。
経営をどういう切り口で見ていけばよいのかという大局観における気づきだけでなく、実務(オペレーション)レベルに落とし込んで、現場を動かすという点において、MBA生の知識の補填や考え方のヒントにつながる良書です。
事例や例え話も多いので、とても理解しやすい内容です。
(印象に残った項目‥本書より)
〇外部環境分析(PESTが便利)‥手順は①拡散と②収束
〇3Cで導くべきは、KSF。collaborator(提携先)を加えた4Cもあり。
〇事業ドメイン:誰に、何を、どのようにの3つの視点
→モノとしての物理的な定義ではなく、コトとしての機能、便益に定義すべき
〇STP:セグメンテーションは、ヒト、エリア、感性、行動で分ける。
ポジショニング・マップの2軸はKBF(購買決定要因)
〇4Pと4C
小売、飲食、サービス業は4C。
①customer value ②customer cost ③convenience ④communication
〇分配率(粗利をどのように配分するか)
・労働分配率:目指すべきは40%以下、38%前後でコントロールしたい
〇小売店の出口は、建物の左側(日本人は右に曲がりやすい行動特性)
〇スーパーは反時計回りの回遊‥左手でカゴを持ち右手で商品を取る人が多い
青果物の店頭配置は、季節感の演出。
〇統一感ある陳列
①規則性(同一品種・素材・色・柄、サイズ、容量、価格、商品の顔)、②Zの法則(人の目は左から右)
〇PI値
販売データを1000人あたりの販売実績に置き換える。時期、場所、客数などが異なり、画一的な分析が難しい場合に、販売点数のPI値、販売金額のPI値などを活用。
〇RFMによる顧客をタイプ分けしたプロモーション
R(Recency:最近購買日)、F(Frequency:利用頻度)、M(Monetary:購買金額)
〇PPMはジャニーズアイドルのブランド管理でイメージ
・金のなる木:これ以上劇的に人気が上昇することはないが名前が売れているので、安定的な仕事が見込める
・花形:積極的に売り出し中で人気急上昇中
・問題児:積極的に売り出し中だが、人気はイマイチ
・負け犬:積極的にプロモーションもせず、人気もイマイチ
→「負け犬→問題児→花形」‥音楽番組への登場が多い
→「花形→金のなる木」‥バラエティ、司会、ドラマ、ニュース番組への登場が増えてくる
先月、マーケティングⅡの受講を終え、マーケティングの単独科目(基礎・Ⅰ・Ⅱ)が終了。今後の講義では、本来の姿である経営全体の中でマーケティングを考えていくことになります。引き続き、マーケティングの知識を磨き続けることは必要ですが、単なる勉強・知識習得で終わらないよう、「実務で使うための‥」という枕詞を忘れずに臨みたいと思います。