『管理会計の基本がすべてわかる本』(金子智朗)(〇)
アカウンティングⅡ(管理会計)の入門書として、管理会計の範囲が網羅され、内容もよくまとまっており、わかりやすい一冊です。
管理会計の本は、浅すぎるか、深すぎるかで、ちょうど良い頃合いの書籍を探していたのですが、ようやく程よい1冊目を見つけるに至りました。
お薦めポイントは2つ。
①図表がわかりやすい、②各項目ごとにある「まとめと演習」がコンパクトにまとまっている(これだけ読み進めてもいい感じ)
(備忘録‥本書より)
〇安全余裕率‥実務でも財務分析で参考にする指標です。
・安全余裕率+損益分岐点比率=1
・実際量が損益分岐点からどれだけ離れてるかの指標
・安全余裕率が大きいほど、売上高の変動に対して利益がマイナスになりにくい。
〇直接材料費差異‥図のイメージほうが覚えやすい
・SP(標準価格)×SQ(標準使用量)-AP(実際価格)×AQ(実際使用量)
→価格差異+数量差異
=SP×(SQ-AQ)+AQ×(SP-AP)
〇直接労務費差異‥図のイメージほうが覚えやすい
・SLR(標準賃率)×ST(標準時間)-ALR(実際賃率)×AT(実際時間)
→賃率差異+時間差異
=SLR×(ST-AT)+AT×(SLR-ALR)
〇製造間接費差異‥これもさらに図のほうが覚えやすい
・予算差異:実際操業度に対する予算額ー実際操業度に対する実際額
・能率差異:標準変動(固定)費比率×(標準操業度ー実際操業度)
・操業度差異:標準固定比率×(実際操業度ー基準操業度)
‥実際操業度⇔基準操業度 ‥ 操業度差異
‥標準操業度⇔実際操業度 ‥ 能率差異
■基準操業度‥予算上の操業度(現有設備での最大生産量)
■標準操業度‥実際の受注(生産量)に基づく予想操業度
■実績操業度‥実際に要した操業度(実績)
押さえるべき数値を間違えると判断ミスにつながってしまう‥、そんな大きな判断ミスを避けるためにも管理会計の考え方を学んで数値の裏側にある算定の仕方を押さえておくことは、経営上とても重要ですね。
それにしても、損益分岐点分析は、慣れているはずなのに、あらためて勉強し直すと差異分析ってややこしい‥。
算式で丸暗記するだけでは、算式が意味するところをイメージできず、苦痛でしかないので、やはり、図でイメージして覚えてしまうのが一番ですね。
(なので、覚えやすい図が挿入されているかどうかは、このジャンルの本探しのポイントになると思います。