『戦略思考ワークブック』(三谷宏治)
ロジカルシンキングは、「内容が難しすぎる×練習不足」により、なかなか定着しないという問題意識のもと、論理思考・戦略思考を訓練することを目的に書かれた一冊です。従って、簡単、分かりやすいというのが第一印象。
本書では、「重要思考」(何が大事なのかはっきりさせる)が全体をとおしたキーワードです。事例を用いながら、シンプルに、①「重み」と「差」で考える、②目的やDMU(意思決定体/Decision Making Unit)を明確にすることの2点に絞って解説されています。
(本書より)
〇「重み」:何が大事か
〇「差」:何が優れているか
〇重要思考での議論4ステップ
①DMUを具体的に絞り込む
②DMUにとって何が大事か(「重み」)を明らかにする
③特に大切な「重み」について、「差」を明らかにする
④DMUへのインパクトを「重み」×「差」で論じる
〇営業・販売での重要思考
・買ってくれる相手(DMU)は誰か
・大事なこと(重み)はどんな価値でありコストなのか
・自社がつけられる差は何か
〇マーケティングと重要思考
・DMU:segment、targeting
・大事なこと(重み):positioning
思考力というと敷居が高く、小難しいイメージがありますが、本書は、とてもシンプルでとっつきやすい点が優れています。
「大事なことは何か」、「誰にとって大事なのか」、「競争相手との差はどのくらいあるのか」。確かに戦略をシンプルにしていけば、この3点に収斂していくのかもしれません。迷ったらシンプルに考えよう!