MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

戦略思考ワークブック(三谷宏治)

 『戦略思考ワークブック』(三谷宏治

 ロジカルシンキングは、「内容が難しすぎる×練習不足」により、なかなか定着しないという問題意識のもと、論理思考・戦略思考を訓練することを目的に書かれた一冊です。従って、簡単、分かりやすいというのが第一印象。

 本書では、「重要思考」(何が大事なのかはっきりさせる)が全体をとおしたキーワードです。事例を用いながら、シンプルに、①「重み」と「差」で考える、②目的やDMU(意思決定体/Decision Making Unit)を明確にすることの2点に絞って解説されています。

 

(本書より)

〇「重み」:何が大事か

〇「差」:何が優れているか

〇重要思考での議論4ステップ

 ①DMUを具体的に絞り込む

 ②DMUにとって何が大事か(「重み」)を明らかにする

 ③特に大切な「重み」について、「差」を明らかにする

 ④DMUへのインパクトを「重み」×「差」で論じる

〇営業・販売での重要思考

・買ってくれる相手(DMU)は誰か

・大事なこと(重み)はどんな価値でありコストなのか

・自社がつけられる差は何か

〇マーケティングと重要思考

・DMU:segment、targeting

・大事なこと(重み):positioning

 

 思考力というと敷居が高く、小難しいイメージがありますが、本書は、とてもシンプルでとっつきやすい点が優れています。

 「大事なことは何か」、「誰にとって大事なのか」、「競争相手との差はどのくらいあるのか」。確かに戦略をシンプルにしていけば、この3点に収斂していくのかもしれません。迷ったらシンプルに考えよう!

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