『京セラフィロソフィ』(稲盛和夫)(〇)
これはもう、バイブルですね。稲盛さんのいろいろな著書を読ませていただきましたが、その要素は、京セラフィロソフィを解説している本書に集約されています。
アカウンティングⅡ(管理会計)のレポートがアメーバ経営なので、背景に流れる考え方を学びたく読んでみましたが、アカウンティングⅠ、LEV(リーダーシップ開発と倫理観)やOBH(組織行動とリーダーシップ)などの科目にもつながり、まさに経営の根幹にある考え方という感じです。
(印象に残った項目‥本書よりいくつかを抜粋)
〇人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
熱意・能力はゼロ~100点、考え方は-100~100点。大事なのは「考え方」。考え方次第で人生や仕事の結果は180度変わる。考え方は唯一マイナスがある。大変高い能力の持ち主がマイナスの考え方を持ったら、人生の結果は大きなマイナスになってしまう。
私の場合、この算式を少しアレンジして細分化しています‥
人生・仕事の結果=①考え方×(②努力×③志)×(④能力・
「考え方」を素晴らしいものに高めていくために、六波羅蜜を心に留めておくこと
①布施(人を助ける)、②持戒(戒律を守る)、③精進(一生懸命働く)、④任辱(堪え忍ぶ)、⑤禅定(心を鎮める時間を持つ)。以上5つを心掛けると、やがて、⑥智慧(悟り)に至る。
〇値決めは経営である
値決めとは、お客さんが買ってくれる最高の値段を決めること。高いから悪い、安いから良いという単純なものではなく、どういう戦略に基づくか、そこにポイントがある。
まず売価ありき。問題は売価を設定したら、その中でどうやって利益を生み出していくか考えるのが経営。その売価も設定が安すぎては、いくら苦労しても利益は出ない。だから、市場で通用する最高の値段を設定しなければならない。京セラは原価主義で販売価格を決めるようなことはしない。販売する品物の価値で売る。
値決めは経営トップの仕事。値を決める瞬間だけ指すのではない。値決めが経営の本質であるなら、そのプロセスである仕入にも責任を持ち、製造のコストダウンにも責任を持つというところまで言わないといけない。値決めを行う瞬間に、もうコストダウンの方法を考えていなければならない。
〇売上を極大に、経費を極小に
アメーバ経営は、「時間当たり採算制度」という考え方。自分の労働を通じていくらの付加価値を作りだすことができるかということを考える。
売上を極大にしていくには、営業努力を行うしかない。
経費を極小にするための工夫として、経費項目の細分化があげられる。経費を減らしなさいという大号令をかけると同時に、現場の人がこれが問題だと見えるように、細かく分類した経費項目で見ていくことが、経費を極小にするための秘訣。
時々読み返して、自分を戒めたい。そんな、いいことがたくさん書かれています。
中でも、約600ページある本書で繰り返し出てくる「考え方」。この「考え方」を磨き続けることが40代~50代の課題になりそうです。
このバイブル、間違いなく、また読み直します。