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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ブランド論(デービット・A・アーカー)

 『ブランド論』(デービット・A・アーカー)(〇)

 ブランド論の大家である著者が、ブランド論の基本原則を取りまとめたエッセンシャル版です。と言っても300ページを超えるしっかりした内容なので、入門書に一冊くらいは目を通してから読んだほうが理解が進むと思います。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇ブランドとは

 組織から顧客への約束。そして、顧客がそのブランドに触れるたびに生まれる感触や体験を基にして、次々に積み重なり変化していく顧客との関係。

 

〇ブランドビジョン

 ブランドにこうなってほしいと願うイメージをはっきりと言葉で説明したもの。一つのブランドの構成要素は6~12個はある。このうち2~5個が「コア・ビジョン・エレメント」、その他が、「拡張ビジョン・エレメント」。

 ブランドビジョンの決定要素は、「市場×戦略×競合他社×顧客×組織×ブランド自身」。

 

プルーフポイント(言葉を裏付ける実際の証拠)

 例えば、ノードストロームは、「卓越したサービス」を謳うが、その目に見えるプルーフポイントは、返品に対する同社の方針及び権限を与えられた店員。そして、顧客から見えない黒子のプルーフポイントは、従業員の給与体系及び雇用・研修制度。

 

〇個性(パーソナリティ)

 パーソナリティを持つことは、ブランドにとっても人間と同じくらい重要。機能性便益と異なり、パーソナリティは、攻撃したりコピーしたりするのが難しい。人は、ブランドを人間のように扱うようになると、認識と行動に影響を受けるようになる。例えば、ブランドの擬人化は、マネジャーが顧客のブランドに対する知覚を掘り下げて理解するための一助となる。擬人化されたブランドが何を語り掛けてくれるか探ってみる作業はブランドへの感情的反応を明らかにするための優れた手段になりうる。

  ただし、コア・ブランド・ビジョンにパーソナリティを取り入れているブランドは少数派で、拡張エレメントとしてパーソナリティを利用しているのが一般的。

 

〇パーソナリティ:5つの評価と15の特質

①誠実

 堅実、正直、純粋、親しみやすい

②刺激

 刺激的、活発、楽しい、核心的

③能力

 信頼できる、真面目、成功している

④洗練

 上流階級、チャーミング

⑤逞しさ

 頑丈、アウトドア

 

〇情緒的便益

「このブランドを買うとき(使うとき)私は、〇〇を感じる」

 

〇自己表現便益

「このブランドを買うとき(使うとき)私は、〇〇である」

 

〇社会的便益

「このブランドを買うとき(使うとき)私は、〇〇タイプの人たちの仲間である」

→最もロイヤルティの高い顧客の経験に注目すること。彼らは機能的便益を超える経験をしたことがあるはず。その内容を知ったうえで、その経験をさらに広い顧客層へと拡大できるか可能性を探ればよい。

 

〇相手を巻き込む共通利害を考える

 充実した時間は何をして過ごしているのか、どんな活動を楽しんでいるのか、自分の個性とライフスタイルを反映する大事な所有物とはどんなものか、よく話題にするテーマは何か、どんな問題に心を奪われているのか、はっきりとした意見をもつのはどの分野か、価値観と信念は何か、大いなる目標は何か・・・。

 

〇社内向けブランディング

 社員に次の2つの質問をすることで組織の状態をテストできる。

 ①当社のブランドは何を表していますか? ②それを意識していますか?

 →社内向けブランドには、「明快で説得力のあるブランド・ビジョン」、「経営トップ層からの支援」が不可欠。

 →社員が通る3つの段階は、「学ぶ⇒信じる⇒演じる」

 

〇ブランドに活気を!

 次の特徴の少なくとも1つに当てはまること。

 興味深い/刺激的、巻き込む/引きつける、創造的/変化に富む、情熱的/目標に一心不乱

 →そのためには、①新たな製品サービスで活力を与える、②マーケティグを活性化する、③ブランドと結びつけられるブランド活性化要素を見つけるか開発する

 

 

 私にとってマーケティングは、実務上の縁が薄く、中でもブランド論は理解できていない分野です。お客様や経営者の立場からみれば、経営の重要要素であることは間違いありません。本書でも社内向けブランディングが書かれていましたが、社員がブランド学び、信じ、そして演じるようになれれば、最前線の顧客接点の場でもっともっと高い価値が生み出せる可能性を感じました。学ぶべきこと、やるべきことは、まだまだある・・。

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