読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

スピーチライター(蔭山洋介)

グロービス経営大学院 ビジネスプレゼンテーション

 『スピーチライター』(蔭山洋介)

 「Yes We Can」「バイ・マイ・アベノミクス」・・これらの有名なフレーズを生み出し、聴き手を惹きつけるシナリオを描く、スピーチライター。

 話し手の意図や人柄、聴き手の感情、伝え方など、様々な視点で人の心理を想像し、伝え方を考える職業は、「人前でお話する機会があっても、なかなか、思うように気が利いた話ができない・・・」という、日ごろの悩みに役立ちそうな気がしたので、読んでみました。

 内容は、スピーチライターとはどういう職業なのかという点を中心に展開されていますが、スピーチライティングやコミュニケーション方法も書かれており、今回は、関心のある後者を中心にまとめてみます。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇読み上げ原稿〔アウトライン→仮原稿→本原稿〕

①アウトライン

 どんなスピーチにしたいのか?スピーチの全体像

②仮原稿

 読んで面白い程度のやや粗い状態。

→この状態でクライアントの前で声に出して読み上げて、より良いものにするためにい意見を出し合う。

③本原稿

 聴き手の印象に残るフレーズを考える、声に出して心地よいリズムになっているか、原稿の言い回しがクライアントにとって馴染があるかを確認

→再度、クライアントの前で声に出して読む

 

〇暗記原稿

 アウトラインと簡単なメモ程度。

 5分程度なら原稿を覚えられるのが、それを越えて覚えられない長さになれば、原稿を書くというより、アウトラインをもとにスピーチを創作する。

 

〇話し手の腑に落ちる言葉を使う

 話し手の腑に落ちていない理論や感情を無視した言葉はNG。話してが言葉に違和感を持ったときこそ、話し手(クライアント)の声に耳を傾ける。

 

〇共感と反感

・反感は基本的に避けなければならないが、反感を持たれているうちに原因を説明し理解を促すことで、共感に変えることができる。一番恐ろしいのは、聴き手に反応がないこと。

・共感は、小さなものを積み重ねて徐々に深くしていくもの。「そうだな」という浅い共感を繰り返していくと、徐々に共感が深まる。最初は誰でも共感できるような軽い話がいい(天気など)。一方、好みが分かれるような話であればあるほど、共感が得られれば、より深いものになる。

・スピーチの基本戦略は、広く浅い共感を徐々に積み重ねながら深い共感を形成していくこと。

 

〇シナリオのアウトライン

・「事実」は次の「意見」に説得力を持たせる重要な役割。「事実」で十分に共感されないと、「意見」に共感してもらうことは難しい。スピーチで失敗する典型パターンは、「事実」がほとんど話されないで、「意見」ばかりというもの。

・「事実」で何を話すのかを決めるためには、「意見」のパートで何を話すかを先に決めておくこと。

 

〇シナリオの基本構成

①【あいさつ】あいさつと自己紹介

②【アイスブレイク】本題に入る前の準備

③【フレーミング】何について話すかを一言で宣言する

④【事実】実験結果や実際の出来事

⑤【意見】事実から何が言えるかを考察

⑥【まとめ】話した内容のまとめ

 

 

 自分で話すときは、アウトライン程度のメモのスタイルで話していますが、先日、他の方が読む、読み上げ原稿を書いたときに、「声に出して読んでみる」という大切さを実感しました。別の方に声に出して読んでもらったのですが、微妙なニュアンスに違和感を感じたり、くどく聞こえたりと、聴き手の立場で考えることができ、とても良い修正ができました(頭で想像するのとは大違い!)。

 究極的な理想の姿は、以前、『孫正義 奇跡のプレゼン』を読んだ際に感銘を受けた、「プレゼンまでに徹底的にそのテーマについて議論しているので、練習はしない、原稿は書かない、質疑想定メモも作らない」という孫さんのスタイルを目指したいです。

f:id:mbabooks:20150202141120j:plain