MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ゴーン・テキスト(カルロス・ゴーン)

 『ゴーン・テキスト』(カルロス・ゴーン

 ストラテジック・リオーガニゼーション(SRO)Day3で日産のケースを学んだので、復習に読んでみました(ゴーンさんシリーズを読み漁ってみました。100ページちょっとなので、すぐに読めます)。

 2006年に発刊された本書は、記者会見のコメント特集です。従って、全部、生の発言ということで、ゴーンさんの考え方がストレートに表れています。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇社員のモチベーションの威力

 社員のモチベーションの威力をみくびってはならない。企業には決してないがしろにしてはならないことがある。それは、①社員の頭脳と、②競争意識。

 

〇経営陣が最優先するべき務め

①社員たちが共有し理解できる明確なビジョン

②全社をあげた長期計画を確立すること

 

〇最良のリーダーの3つの特性

①モチベーションを高める力があること

②人から信頼されること‥人と繋がる能力

③結果を出していること‥勝ちたいという意思

⇒リーダーは天性のものではない。生まれつきのリーダーなどはいない。リーダーとは、経験から作られるもの。

 

〇経営トップの責任

 経営トップ陣は高みの見物をしてはならない。自らの結果に責任を負うべきという信念を持っている。社員にとって、責任の所在があいまいな企業ほどやりにくいことはない。1つに失敗しても、次のプランが出て、それがだめなら3つ目・・。何度失敗しても上層部が居座り続けると、現場の社員はやる気を失う。

 

〇力は内部から生まれる

 コミットメントという文化。これは強力な武器。環境のせいにしてしまって、「力は内部から生まれる」という理念をないがしろにすると、多くの貴重な機会をみすみす失ってしまう。

  

 やはり、トップが発する一言一言はとても影響力が大きいですね。記者会見では、発する言葉の選び方、誰がどう受け止めるかを考えて発せられており、舞台裏での準備段階における細やかな心遣いを感じました。

 なお、日産の90年代後半から00年代最初の取り組みは、『カルロス・ゴーン経営を語る』『ルネッサンス』の2冊でカバーされていますので、詳しい取り組みは、そちらを読んだほうが良いと思います。

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