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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

信念に生きる(リチャード・ステンゲル)

グロービス経営大学院 企業家リーダーシップ 私のお勧め本

 『信念に生きる』(リチャード・ステンゲル)(〇)

 企業家リーダーシップDay2の課題図書です(未受講の方は、受講後にお読みください)。

 27年の刑務所生活を経て、アパルトヘイト撤廃に成功したマンデラ氏。タイトルどおり、信念とはこういうものだということを具現化し、あまりに偉大な功績を残しました。映画『インビクタス』と合わせてることによって、よりイメージが湧き、本書の一つひとつの言葉も、感じ方が変わってくると思います。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

 絞り込みましたが、かなりの長文になります。

〇序章

・自分の信念を決して曲げようとしない。「あってはならないこと」なら、「あるべき姿」に変えていく。

・よく使う形容詞。深い洞察力を備えている、忍耐強い、バランスが取れている。

・私は刑務所で成熟した。成熟とは、若い時にむき出しにしていた感情を胸の内に秘める術を得ること。一瞬の感情を抑え、様々な思考を冷静に判断し、物事をありのままに見ることができる。

 

〇第一章「勇敢に見える行動をとれ」

・勇気というものは、日常の場面でこそ発揮される。

・勇気とは、恐れを知らないということではない。抱いた恐れを克服していく意思を持つこと。

・勇敢なふりをすること。これがマンデラの勇敢さの定義。

 

〇第二章「常に冷静沈着であれ」

マンデラは常に冷静沈着。マンデラが問題に対して冷静さをもたらす。

・人の性格は生まれつき備わっているものだと考えられている。しかし、マンデラをみると、性格は自分自身で形成していくものだということが分かる。衝撃的で怒りに任せた行動をすることが多かった人物が、刑務所時代を経て、めったに怒りを見せることのない穏やかな、いわば正反対の性格に変わっていった。

・急いではならない。まずはじめに、物事を深く考えて分析しなさい。行動はそのあとだ。

 

〇第三章「先陣を切れ」

マンデラが考えるリーダーのあるべき姿は、自ら先陣を切ることはもちろんだが、先陣を切っているという事実を他者が理解できるということも含んでいる。

・リーダーには、一人で意思決定し、行動しなければならない時がある。行動した後に、組織に対しての説明責任を果たすべきときがある。

・自分たちが望む解決策ではないにしても、避けられないものなら先延ばしにするな

 

〇第四章「背後から指揮をとれ」

・持っている能力を最大限に引き出すためには、皆が「ゲームに参加している」と感じることが必要

・自分の足りない部分を補うかのように、マンデラは自分よりも「頭がいい」または「頭の回転が早い」と認めた人物と手を組んだ。

・背後から指揮するリーダーシップとは、実は、先陣を切るリーダーシップのカモフラージュのようなもの

 

〇第五章「役になりきれ」

・常に物事が「どのように見えるか」に最新の注意を払う。

・「外見が人を物語る」という確固たる信条がある。

・リーダーは、軽率な発言をしてはならないという信念があった。一つを選ぶことによって、他のすべてからの信頼をうしなうことがある。

 

〇第六章「原理原則と戦術を区別せよ」

マンデラが学習したのは、戦略そのものだけではない。その戦略を表に出さない方法を習得した。

・物事の状況と原理原則。この2つを照らし合わせてとるべき戦略が決まる。その点、マンデラガンジーではない。マンデラの場合、ゴールこそが信念であり、非暴力は戦術の一つにすぎなかった。

・状況が変われば、取るべき戦略も思考法も変化に伴い変えていく必要がある。それは、信念のブレではなく、現実主義的思考というものだ。

 

〇第七章「相手の良い面を見出せ」

・相手を信頼することにより、人は最良の自分を発揮してくれるだろうという期待がある。

・常に物事の良い面を見ようとし、建設的な学びを得ようとする。ネガティブな面には注目しない。

・感情のリスクをあえてとる。人に信頼を寄せることで自分が弱い立場に置かれるというリスクをとる。

 

〇第八章「己の敵を知れ」

マンデラは、常に人々の理性に訴えかけ受け入れられてきた。しかし、究極の勝利というのは、人々の心を掴んでこそ得られるものだと考えていた。

マンデラが「敵を知る」というとき、それは単に戦術について語っているのではない。敵でさえもどこか「共感」できる部分があるということ。

・敵の心をつかんだと得意になってはいけない。自分が勝っているときこそ、最大の慈悲の心を持って相手に接しなくてはならない。いかなる状況においても、相手を侮辱してはならない。相手の誇りを大切にしなさい。そうすれば、敵はやがてあなたの友となるのだから。

 

〇第九章「敵から目を離すな」

・一番厄介なのは、「味方のふりをした敵」。彼らは十分に注意を払わなければならない。

・敵というものは、遠くから見るのではなく、自分の近いところに置くことが、彼らを知る最も良い方法だと分かっていた。

・敵を常に自分の視野に取りこんでおくことで、見張られている状態にある敵に考えを改める余地をあたえることができる。そうすれば、少なくとも不意打ちを食らうことはない。

 

〇第十章「しかるべきときにしかるべく「ノー」と言え」

・ネルソンマンデラの辞書には「おそらく」という言葉はない。代わりに、沈黙があるのみ。

・言うべき時に「ノー」と言わないことこそが、のちのち相手にとって、かえって事態を悪化させるということを十分理解している。

・自分が問題に向き合いたくないがために、意思決定を先延ばしにすることはやめたほうがいい。今すぐ、その問題に向き合い、選択し、明らかにする。それが、長期的に見れば、問題解決の近道になる。

 

〇第十一章「長期的な視野を持て」

・刑務所での生活を通して、早急な行動は誤った判断につながること、常に落ち着いて行動することが肝要だということを学んだ。

・「長期的視点」は、マンデラが頻繁に使う言葉の一つだ。これが彼の考え方の根幹であり、彼の持つ戦略的思考が一番活かされる視点。

・時代の要請があってこそ、リーダーが育まれる。その時代の要求に応えるべく、彼ら自身が尽力し、本物のリーダーになっていく。リーダーが歴史をつくるのではない。

 

〇第十二章「愛ですべてを包め」

-(なぜか印象が薄かった章)

 

〇第十三章「「負けて勝つ」勇気を持て」

・自分自身の役割は、進むべき道筋を示すことで、実際に船を操縦することではない。

 

〇第十四章「すべての角度からものを見よ」

・物事には、完全なる善とか、完全なる悪というものはない。マンデラは、は様々な物事を判断するとき、常にこのような考え方をとった。

 

〇第十五章「自分だけの畑を耕せ」

・人間も食物と同様、耕して育てることができる。私たちはそれぞれの畑を耕すことに精を出すべきだ。

・どんなものでもいい。大切なことは、私たちにも外の世界から少し距離を置いて、自分に喜びと満足を与えてくれる場所が必要だということ。

 

 私が印象に残ったところは、「性格は自分で形成していく。刑務所生活を経て、正反対の性格に変わっていった」というくだり。物事の解釈を変えることができるほどにどのように自分をコントロールしたのか。マンデラ氏が愛したインビクタスの詩の一節「私がわが運命の支配者、私がわが魂の支配者なのだ」とのつながりが浮かび上がってきて、ゾクっとしました。

 それにしても、学びが多すぎてお腹いっぱいいっぱいになる内容です。もう数冊読みながら、頭を整理して行きたいと思います。

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