MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉(ネルソン・マンデラ)

 『ネルソン・マンデラ 未来を変える言葉』(ネルソン・マンデラ

 スピーチ、手紙などから、ネルソン・マンデラの言葉を紡ぎ出した名言集です。

 『信念に生きる』(リチャード・ステンゲル)など、他のマンデラ氏の書籍を読んだり、映画『インビクタス』を見て、マンデラ氏の功績や心境に触れてから、最後に本書を読むことをお薦めします(言葉からイメージが膨らみやすいと思います)。

 

(印象に残った言葉‥本書より)

〇期待が満たされないとき、祈りや夢が叶わないとき、このことを忘れないように。人生最大の栄光は一度も転ばないことではなく、転ぶたびに立ち上がることにある(ビル・クリントン大統領のレセプションにて 1998年9月22日)

 

〇大切なのは、何が起こったかというよりも、それをどのように受け止めるかということだ(ティム・マハラジへの手紙から 1971年2月1日)

 

〇スポーツには世界を変える力がある。人を奮い立たせる力がある。独特のやり方で人々を結びつける力がある。若者が理解できる言葉を使って、若者の心に訴えることができる。(ローレウス世界スポーツ賞の第1回生涯功労賞受賞にあたって 2000年5月25日)

 

〇人生で大切なのは、生きてきたという、それだけのことではない。これまで送ってきた人生の価値を決めるのは、他人の人生にどのような違いをもたらしたかということなのだ。(ウォルター・シルス90歳の誕生日にて 2002年5月18日)

 

〇死刑宣告を受け入れる心の準備はできていた。本当に何かを覚悟するためには、実際それが起こると思わなければならない。心のどこかで「起こらないだろう」と高を括りながら、覚悟することはできない。私たちは全員、心の準備ができていた。勇敢だったからではない。現実的だったからだ。(『自由への長い道』より 1994年)

 

〇文章家は席の中心に陣取る、人から称賛され尊敬される職業である。しかし、世の中の先頭に居続けるには大変な努力が必要だ。大切なのはテーマが適切でオリジナリティに富んでいること、表現が簡素であること、そして、他の言葉では置き換えることのできない言葉を使うことである(ジンジ・マンデラへの手紙から 1977年9月4日)

 

〇勇気とは恐怖の欠如ではなく、恐怖の征服であることを学んだ。私自身数えきれないほど何度も恐怖を感じたが、図太さという仮面の裏に隠してきた。勇気のある人間は恐怖を感じない人間ではなく、恐怖に打ち勝った人間なのである。(『自由への長い道』より 1994年)

 

〇政治闘争の真っただ中で、現実的な緊急の問題に取り組んでいる人間には、熟考する時間などほとんどないし、導いてくれる先例は皆無だ。だから、何度でも間違うことになる。(未発表の自伝原稿から 1975年)

 

 『信念に生きる』を読んで、マンデラ氏の功績を知り、人柄の一端に触れ、想像を膨らませながら、本書を読んだこともあり、一言一言がとても重く、何とも言い難い感覚です。人生を賭して、信念を持ってやり遂げる。言葉にしてしまえば、きれいに聞こえてしまいますが、裏打ちされた経験である、27年の刑務所生活は、想像できる訳もありませんが、真摯に言葉を咀嚼して、自分の糧にしたいと思いました。

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