『感動と共感のプレゼンテーション』(福島正伸)
本書は、ビジネスプランのプレゼンテーションの場面を想定し、「いかに聴き手に共感してもらえるプレゼンテーションを行うか」をテーマとしたノウハウ本です。
本書が発行された2004年時点で、研修5000回、延べ20万人以上が受講という、著者の福島さんの驚異的な経験値に裏付けされているので、実務的な説得力が高い内容となっています。
(考え方を中心に、印象に残ったところ‥本書より)
〇自分が最も輝いているとき
プレゼンテーションによって何かを伝えようとしたとき、言葉や形以上に自分の思いや目指している生き方が伝わってしまうもの。プレゼンテーションの前に、自分がどのようの人生を送りたいのか、自分が最も輝いているときはどのような時かを明確にしておくこと
〇事業の成功条件を伝える
これからの事業の「予定」を伝えるのではなく、事業が成功する「証拠」を見せるのがプレゼンテーション。「証拠」は、事業が成果を上げてきた「実績」と、どれだけの成果が保障されているかという「予約」。
〇共感を見つけ出すポイント
「次はどうなるんだろう?」「早くその先を聞きたい!」「詳しく教えて欲しい!」という気持ちになってもらうために・・。
①社会に価値と感動を提供する夢を持つこと
②最高の価値を準備して、体験していただくこと
③事業に取り組む自立の姿勢を見せること
⇒理屈で説得しようとするほど、反対に相手はこちらの問題点を指摘したくなる
⇒何より、思いが大切。思いが伝わってこそ、内容も伝わり、共感も得られるようになる。ミスなく原稿通り伝えても、他人から影響を受けても、それは自分らしくない、印象に残らないプレゼンテーションになってしまう。自分が感情移入しやすい言葉を大切にすること。
〇初めの3分で聴き手を「掴む」ために
①自分の体験談
②誰でも経験のある身近な話
③世界中で起きている問題(映像)
④まさか!という極端な話
⑤事業価値の典型的な事例を紹介
⑥誰もが関心のある歴史上の話
⑦意外と知られていない最近の流行
⑧なぞなぞのような話
〇こうなってはいけない
①説得型プレゼン
②難解プレゼン
③価値不明確プレゼン
④主観的プレゼン
⑤準備不足プレゼン
⑥ビジョン・ポリシーないプレゼン
⑦他責プレゼン
⑧お願いプレゼン
⑨決意がないプレゼン
プレゼンは事前準備と実践(経験値)の積み重ねだとは思いますが、いろいろ考えて臨んでは、「あ~、今日も〇〇がダメだった・・」と、反省し、進歩したような気になれば、「自分は、センスないんじゃない?」と凹んだり。そんなサイクルを繰り返しています。
特に最近は、聴き手に伝わる「自分らしさ」って何だろう?という点を考えるようになりました。できるだけ自然体で素直に自分らしく話したい。そんな、スタイルで臨んだ時、私はどんな印象を持たれるのか。聴き手に思いを馳せながら、自分を理解していく必要性に迫られています。
そんな自然体のプレゼン像を求めながら、今後も研究は続いていきそうです・・・。