『最強の商人』(オグ・マンディーノ)(〇)
主人公の少年が手にした10の巻物。商売成功の秘訣は何か、ワクワク感を持ちながら読み進めることができる物語です。帯にもあるように、リッツカールトンの課題図書に指定されていたというだけで、本書の価値が高いことが分かります。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇習慣は別の習慣によってのみ変えることができる
⇒良い習慣をつくり、その奴隷になること
〇今日という日を心からの愛をもって迎えよう
⇒今からすべての人を愛そう。この瞬間から憎しみをすべての血管から追い払おう
〇成功するまで頑張りぬく。
⇒「平均の法則」。物事は良きことのために起こる。失敗することは、次の成功のチャンスが増えること
〇私はこの大自然最大の奇蹟
⇒唯一かけがえのない存在
〇今日が人生最後の日だと思って生きよう
⇒明日の不確実なことのために、なぜ今を台無しにするのだろうか?
〇今日、私は自分の感情の主人になる
⇒弱者とは、自分の感情が行動を支配するのを許す人のこと。強者とは、自分の行動によって感情を支配する人のこと。
〇世間を笑おう
⇒笑うことができるのは人間だけ。今日の心配事など10年も経てば、取るに足らないことに見えるのではないだろうか?どうして今、些細なことに悩まなくてはならないのだろう?
〇今日、私は自分の価値を100倍にする
⇒私には選択の自由がある。私の失敗や絶望、無知や無力は、実るために私が埋められた暗闇のようなもの。
〇私は今行動する
私の夢は無価値。私の計画はゴミ。私の目標はムダ。どれもみな、行動が伴わなければ全くの無価値なのだ。
要点だけ拾い集めれば以上のように、コンパクトに集約できます。
それは、よくある自己啓発本に記載されているようなコトバかもしれません。
しかし、本書が数多くの経営者の心に刺さるのは、物語としての秀逸性と、少年が学んでいく内容が商売人の考え方の本質をついているからでしょう。
この少年を通した学びの感覚、どこから読み覚えがあるような・・・、そう、商人と道徳教育という違いはあれど、雰囲気としては、『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)に近い感覚でした。