『孫正義リーダーのための意思決定の極意』(ソフトバンクアカデミア特別講義)
本書は、孫社長の後継者を育成するソフトバンクアカデミアの講義録です。内容自体は、ソフトバンクアカデミアのホームページで公開されているので、そちらを視聴するのが、孫社長の雰囲気も伝わって良いと思います。
孫社長が自ら登壇し、受講者を指してライブで対応していかれる様は、PCを通してでも緊張感が伝わってきます。
内容は、二択の意思決定が30問。その後、「孫の二乗の兵法」の解説があります。二択で自分の答えと孫社長の答えが異なったとき、何が違うのか、チェックしてみるとっとても学びになると思います。
(第二講義の「孫の二乗の兵法」より抜粋‥本書より)
孫子の兵法とランチェスター戦略をもとに、孫社長が25の漢字で戦略論を表したものです。
【理念】
・道‥理念・志
・天‥天の時、タイミング
・地‥地の利(成長市場にアジアに位置する)
・将‥優れた将
・法‥法則、やり方。システムや方法論。ルールや仕組みを作ること。
【ビジョン】
・頂‥登る山を決め、山頂からみた景色をイメージする。
・情‥情報
・略‥戦略。無駄ものを徹底的に除去すること
・七‥七割の勝算があって勝負する(三割以上のリスクは冒さない)
・闘‥やり抜く、闘い抜く
【戦略】
・一‥ナンバーワン戦略。勝てる戦いしかしない。
・流‥時代の流れに逆らわない
・攻‥攻撃は最大の防御なり
・守‥代表的な守りはキャッシュフロー
・群‥戦略的シナジーグループ(企業軍団)
【心構え】
・智‥各分野で最も優秀な専門家と丁々発止の議論ができる能力(勉強しまくる)
・信‥信義、信念、信用
・仁‥仁愛。人々の幸せのために。
・勇‥闘う勇気、腹を括る、退却の勇気。
・厳‥時として鬼になれ、強烈な鬼となれ。
【戦術】
・風‥素早く動く、実行する
・林‥静かに極秘裏に進める
・火‥いざ動くときは火のように革命的にやり抜く
・山‥動かないときは山のように微動だにしない
・海‥戦い終わって海のようにすべてを呑み込んで、平和で静かな状態まで持っていってはじめて戦いは完結する。
ソフトバンクアカデミアの動画は、私も真剣に全部観ました。孫社長自らの問いかけと解説はとても衝撃でした。2つに1つの答えのない決断をくだし、その理由を孫社長に説明しなければいけない緊張感。会場にいれば、手を上げるのもためらわれそうな空気。知識や理屈もさることながら、その緊張感を突き破る精神力が必要なことをまず実感します。