本書は、作詞家・放送作家の秋元康さんと放送作家鈴木おさむさんの対談です。
希代のヒットメーカー2人が天職ともいえる仕事に出会い、成果を残してきた過程をお互いに掘り下げていく内容であり、あまり構えずにさらっと読めます。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇辞めないということが天職の条件。今が楽しいと思えるか(秋元)
〇成功は98%は運で、あとは1%の汗と1%の才能(秋元)
〇仕事でも自分からアプローチはしない。アイデアの種があっても、ことさらプレゼンはしない。何かのタイミングで「なんかないですかね?」と聞かれたら、「こんなのどう?」と言ってみて、向こうが乗ったらやる。(秋元)
〇やりたいものを優先していると、不思議と自分の好みに合ったものがくる(鈴木)
〇仕事じゃないときにいろんな人と遊んだりしたほうがいい。すべてを仕事に繋げようとしている人はダメ。見え見えでこの人に近づきたいと思っても絶対うまくいかない。(秋元)
〇本当にやりたかったら、絶対に誰かがつかまえにくる。どんなに忙しくたってつかまえられる。それがうまくいくとき(秋元)
〇誘われたときに多くの人は、それを運だとは思わなくて、反対側(先に決めたスケジュール)に行くことを選んでしまう。(秋元)
→行くかどうか。来いよと言われたときにいくかどうか(鈴木)
〇運の種って好奇心(鈴木)
→自分が「おもしろそうだな」と思えるかどうかが一番(秋元)
〇何かを求めるとき、必ずそこに「ひょんなことから」が入っている。「ひょんなことから」ほど強いものはない(秋元)
〇天職についているなって思える人はみんな、好きだからやっている。好きかどうかでまずふるいにかけられる(秋元)
〇40歳がどんな年齢だったかというと、いろんなものを作ってきたけど、そこに自分がいないと気づいたとき。やっぱり自分が面白いと思わなければ作るのをやめようと思った(秋元)
〇40歳のときは流していた方が楽だし、仕事も来る。でも50歳になったときに気付く。なんで流してきたんだろうって。体力的にはそこからのほうが辛い。
〇よく、「嫉妬年表つくれ」って言う。自分が今誰に嫉妬しているかをはっきりさせたほうがいい(鈴木)
〇淡々とやり続けることが一流であり、プロフェッショナル。何かうまくいかないっていう人たちは、どこかできょろきょろしている。いいときでも悪いときでも、淡々とやっているうちに、運が来る。かかとを上げずに休めの体勢でいて、運が来たよっていってから動いたんじゃ、間に合わない。(秋元)
対談を読んでいると、2人ともいろいろあるのでしょうけど、結局は今の仕事が大好きだということが伝わってきます。それは結果論と言われるかもしれませんが、その時その時を楽しんできたというご本人しか分からない実感があるのでしょうね。目の前のことを一生懸命やっているうちに、結果的には運を引き寄せ逃さずに掴んだという体験が言葉から感じます。