『論点思考』(内田和成)(〇)
これぞ、クリティカルシンキング!理論と実務の架け橋になる一冊です。
最初の一冊ではないと思いますが、クリシンの基本を学んでから、実務との接点が気になったころに読むと良いと思います。著者は、早稲田ビジネススクール教授で、元ボストンコンサルティンググループの日本代表を務めた方です。実務に即した事例も多く、良書だと思います。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇論点
解くべき問題(課題)のこと。
暗黙の前提として、「正しい問題」を説いていることを想定していないか?→論点を疑い、解くべき論点を定義する、問題解決の最上流にあたるのが論点思考。
世の中には、論点をきちんと設定せずに、「問題」だと思われているものが多い。きちんと論点を設定していないうちに問題解決を図ろうとしているから解くことができない。
〇問題解決能力の高い人
それは、論点思考力が高い人。それは、「真の問題は何か」「何が問題なのか」「それは解けるのか」「解けるとどんないいことがあるのか」を考え続ける人。
〇本当にそれが論点か?
論点を見つけるには、「本当にそれが論点か」と常に疑問を持つ。「これが問題だ」という人の話を聞いて、「なるほど」と思ってもそこで思考を止めてはいけない。「なるほど・・・でも、なぜなのか」と、「なぜ」を繰り返す。「なぜ」を繰り返すと、課題の真因に迫ることができる。
〇論点思考の4ステップ
①論点候補を拾い出す
→あたりをつける。比較的容易に白黒つけられそうなところからアプローチする。
経営者があまり関心を持っていない分野に大問題が潜んでいたり、改善の宝の山があったりすることが多い。
②論点を絞り込む
→あたりをつけたあとに、フレームワークを使うと、うまく説明できたり、関係づけたり、整理できる。論点の筋の良し悪しを見極める判断基準は、「その問題が解決したときに、事業は本当に良くなるか、会社にとってどのくらいインパクトがあるか」を想像する。
③論点を確定する
→これが論点ではないかと仮説を立てる。そのために、①質問して相手の話を聞く、②仮説をぶつけて反応をみる、③現場を見る。
相手の視点に立って考える。”put yourself in his shoes"(相手の靴に自分の足を入れる)→次に、自分の頭の中の過去の経験、類似事例、似た感覚などを探す。ビジネスパーソンは、いろいろな経験を自分の引き出しに蓄積することが大切。
④全体像で確認する
→論点の構造化は、きれいに構造化することにこだわることはない。多くのケースでは、いくつかの論点らしきものが、大論点なのか、中論点なのか、小論点なのか、大きさもわかならいままパラパラと浮かび上がってくる。最初は虫食いのツリーで良い。
〇BCG流論点の構造化
・通常紹介されている方法論は、まず課題を構造化し、全体像をつかむことを最優先している。次に、個別の課題の因果関係を明らかにして、それぞれの問題の解決法を考えていく。
・BCG流アプローチではまず問題のあたりをつけることから始める。次に経営者の話を聞いたり、現場を見たり、自分の過去の経験を蓄積してあるデーターベースと照らし合わせることで検証し、最後に念のために、間違いないかを全体像で把握する。
2年半前に受講したクリシン。ここが、MBAの学びの原点です。当時は四苦八苦した、論点、構造化、MECEも徐々に当たり前に意識できるようになってきています。次は、自分の引き出しをどれだけ多く持てるか。著者は「頭の中に20の引き出しがあり、そこに20づつのネタがあり、さらに20ほどの事例がある」とおっしゃっています。まだまだ、やらねばならないことがたくさんあります。。。