MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

メンタルが強い人がやめた13の習慣 (エイミー・モーリン )

『メンタルが強い人がやめた13の習慣』 (エイミー・モーリン )[Kindle版] 

 

 全米で話題になっているらしいセルフヘルプ本。最悪の状況でもなんとか切り抜ける方法を知るために、13の思考習慣をやめることが提案されています。当たり前にやっていることをやめるように提案しており、「えっ?」という第一印象と、読み進めたときに「そういうことか!」という気づきがある面白い本です。 項目と留意点を追いかけるだけでもエッセンスは掴めると思います。

 

(印象に残ったところ‥本書より) 

〇良い習慣はたしかに大切だけれど、私たちが持てる力をフルに発揮できない理由は往々にして、悪い習慣にある。よい習慣を身につけたところで、悪い習慣を温存していたのでは、目標になかなか到達できない。

 

〇メンタルの力とは、自分の価値観に従って行動できる力、すなわち、自分の思考と感情をよく理解し、それに反する行動を取るべきときと、耳を傾けるべきときを判断する力のこと。

 

〇メンタルが強いことと、ポジティブ思考とは違う。過度にポジティブに考えるのは、過度にネガティブな思考を抱くのと同じくらい害が大きい。メンタルの力とは、現実的、合理的に考える力をいう。

 

〇メンタルの力は、心の健康とイコールではない。糖尿病のような病気を抱えていても、体力がある人もいる。それと同じように、うつ病や不安といった心の病を抱えていても、メンタルを強く保つことはできる。

 

①自分を哀れむ習慣をやめる 

・意義あることに参加する。

・とにかく親切にする。

・アクティブになる。

・感謝日記をつける。

・朝晩、感謝をつぶやく。

・自分を哀れみだしたら、チャンネルを変える

・周りの人に、何に感謝しているか尋ねる。

・子どもに感謝を教える。

⇒感謝する人は病気になりにくい。

   感謝は、前向きな感情をさらに呼び起こす。

 感謝は、社会生活を改善する。

 

②自分の力を手放す習慣を止める 

・深呼吸する。

・状況から距離を置く。

・気を紛らわす。

・許しはストレスを減らす。

・許しを選べば、痛みに強くなる。

・無条件に許すと長生きできる。

 

③現状維持の習慣をやめる

 

④どうにもならないことで悩む習慣をやめる

・まず聞いてから口を開こう。

・意見と懸念を伝えよう。ただし一度だけ。

・自分の行動を変えよう。

・よいところを指摘しよう。

 

⑤みんなにいい顔をする習慣をやめる

・他人の機嫌を取っていないか、目を光らせる。

・みんなをハッピーにする価値観ではなく、自分の価値観に従って人生を生きる努力をしよう。

 

 ⑥リスクを取らない習慣をやめる

・今自分がどんなリスクを取っているか、そのリスクにどんな感情を抱いているかを観察する。

・どんなチャンスを見送っているかにも、目を向ける。

⇒そうすれば、多少不安を覚えても、一番メリットの大きいリスクを取れるようになる。リスクの計算には訓練が必要だが、訓練を重ねれば、学んで成長することができる。    

 

⑦過去をひきずる習慣をやめる 

・学んだ教訓に目を向ける。

・感情ではなく、事実を振り返る。

・状況を別の視点で見る。

 

⑧同じ過ちを繰り返す習慣をやめる 

・ほんの少し時間を取って、自分の過ちを振り返ろう。何が起こったのか、事実を理解すること。

 ・状況を振り返り、「もっとうまくやれたはず」と感じる点を探そう。

 ・「二度と同じ過ちはしない」と口にするのと、実際に繰り返さないのは、まったく別の話。過ちを繰り返したくないなら、次は違うやり方を考えること。いつもの行動に戻ってしまわないよう、具体的な対策を立てること。

 

⑨人の成功に嫉妬する習慣をやめる 

・人と比べない。自分を他人と比べるのは、リンゴをみかんと比べるようなもの。それよりも、かつての自分と比較して、人としてどのように成長してきたかを評価しよう。

・自分の弱点にこだわらない。自分が持っていないものやできないことにばかり目を向けると、持っている人たちを妬むようになる。自分の弱みではなく強みやスキルに目を向けよう。

・人の強みを誇張しない。嫉妬はたいてい、他人の活躍を誇張し、他人が持っているものを重視しすぎることから生まれる。どんな人でも(成功者でも)弱点や不安、問題を抱えている。

 ・誰かの成功をけなしても、嫉妬心が芽生えるだけ

 ・何が公平か、判断しない。「不公平なこと」に目を向けないこと。

 ・謙虚にふるまえば、ほかの人に対しても、自分自身に対しても、驚くほどよい感情が持てるようになる。

 ・自分の「成功の定義」を書きとめよう。誰かに嫉妬しそうになったら、自分の定義を思い出そう。成功への道は人それぞれ。自分の旅はユニークなのだ、と気づくことが大切。

 

 ⑩一度の失敗でくじける習慣をやめる

・成功への道は、短距離走ではなくマラソンだ、と考えること。失敗は、学習し成長していくプロセスの一部だ、と受け入れよう。

  

⑪孤独を恐れる習慣をやめる

・職場での一人時間は、生産性を高める。

・一人の時間は、共感をはぐくむ。

・一人の時間は、創造力をはぐくむ。

・一人で過ごすスキルが、心の健康を助ける。

・一人の時間は、回復に役立つ。

・何となくつけているテレビを消す。

・車に乗るときは、ラジオをつけない。

・携帯電話やスマホを持たずに、散歩に出かける。

・時々、電子機器をすべてオフにして、ひと休みする。

 ・一人で過ごすことに抵抗があるなら、一人でポジティブな経験をしてみてはどうだろう?毎日数分間、一人の時間を取るだけではなくて、少なくとも月に1回、自分とのデートを予定に入れよう。

    

⑫自分は特別だと思う習慣をやめる 

「もっとほしい」と求めるのをやめて、今持っているものに満足できれば、人生はとてつもなく豊かになる。

 

⑬すぐに結果を求める習慣をやめる 

・大切なのは長期にわたってモチベーションを保てる現実的な期待を持つこと。

・目標が、来年の旅行のための貯金であれ、わが子を責任感ある大人に育てることであれ、現実的な期待をはぐくもう。今日明日に結果を求めてはいけない。長期的な視野に立って努力しよう。そうすれば、目標達成の可能性も高まるだろう。

 

 心の持ち方、考え方を健全にしていくと、毎日の時間が自分にプラスになる。自分なりに「正しい心の持ち様とは何か?」を考えてみたくなる一冊でした。

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