『仮説思考』(内田和成)(〇)
クリティカルシンキングの学びのひとつである仮説思考。解決策にたどり着くのが早い人、それは分析力や情報収集力といったスキルの問題ではなく、ものの考え方や仕事の進め方に差がある。仮説とは、情報収集の途中や分析作業以前に持つ仮の答えのこと。
仮説思考とは、情報が少ない段階から、常に問題の全体像や結論を考える思考スタイル。物事を早く解決に導くためにも論理思考とセットで学んでおきたい仮説思考のベストセラー本です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇答えから考える
仕事の進め方で大事なことは答えから発想すること。課題を分析して答えを出すのではなく、まず答えを出し、それを分析して証明する。「自分の仮説を持て」「あなたの仮説は何か」。
〇網羅的思考は非効率
網羅思考とは、すべてを理解しないと前に進めない人たちが取りがちなやり方。現実にすべてを究め尽くすことが困難であるとすれば、ここまでやったのだからこれ以上分からなくても仕方がない、時間切れだからと仕方がないと、自分のために言い訳を探し求める人たちの思考。
頭のよい人が多い企業、例えば伝統的大企業ほど網羅思考の傾向が強い。結果として理屈先行で、意思決定に時間がかかったり、人の提案にはまず批判やあら探しから入る傾向がある。もちろん本人は悪気がある訳ではなく、完璧を期しているつもりなので、余計たちが悪い。コンサルタントをやっていてダメだなと感じるのは、この手の企業。
〇問題発見の仮説
実際のビジネスにおける問題には、問い自体が不明確な場合が多いので、そういう場合には、まず「問題発見の仮説」から始めることになる。
〇仕事の全体構成を見通す
ストーリーを構造化すること。構造化とは、「今回のストーリーをこういう内容でつくり、こういう構成で仕立てようという全体のシナリオ」をつくること
〇仮説を立てるヒラメキを意図的に生む
①反対側から見る
・顧客・消費者の視点を持つ
・現場の視点で考える
・競争相手の視点で考える
②両極端に振って考える
③ゼロベースで考える
〇よい仮説の条件
①掘り下げられている
仮説を立てるときは、常に「So What」(だから何?だからどうする?)と考えるべき
②アクションに結び付く
具体的な解決策あるいは戦略に結び付く
〇上手なディスカッションを実施するコツ
①必ず仮説を立てていく
自信はないけれどこういうことなのではないか、という程度でいいので仮説をぶつけてみること
②仮説を否定せずに進化を目指す
こういう考え方のほうが答えに近づくのではないか、こういう視点を加えたらどうかというアドバイスをする
③議論は負けるが勝ち
目的は勝つか負けるかではなく、仮説の検証と進化である
④メンバーはバラエティ豊かに
〇定量分析の基本技
①比較・差異による分析
②時系列による分析
③分析による分析
④因数分解による分析
〇仮説のトレーニング
①So What?を常に考える
②なぜを繰り返す
MBAのスタートはクリティカルシンキングから始まる。クリティカルシンキングは、すべての科目の基本になる科目、と言われた単科生開始から2年8カ月。思考・行動の中に定着してきていることを実感します。意識して行動を繰り返すことによって、無意識に考え、行動できるようになる。これからも継続するために、たまにはクリシン本を読んで振り返りたいものです。