『ほんとうに役立つNLP』(山崎啓支)
NLP(Neuro Linguistic Programming:神経言語プログラミング)は、1970年代に米国で確立した能力開発手法です。本書では、「幸せに成功する人生」を目的として、NLPを使ってどのようにそれを実現していかという観点から書かれています。
■ひとことまとめ
結果とプロセスに対する価値観を客観視し、ストレスをコントロールする
(印象に残ったところ‥本書より)
〇ストレス
ストレスは環境が誘発するものだが、ストレスを感じるかどうかを決定するのは、人間のとらえ方のほう。つまり環境ではなく、人間のほうに問題がある。辛いという感覚、ストレスだと思う感情の原因は、出来事そのものではなく、被せた観念(イメージ)のほうにある。いつでも決定している尺度は身体感覚にある。ストレスをつくり出す原因となっている観念(イメージ)に気付き、それを修正できればストレスを撃退できる。
〇出来事と観念(イメージ)を切り離す脱同一化。
アソシエイト(当事者意識)からディソシエイト(傍観者意識)へ切り替える。自己同一化の罠に注意。人間は属している組織、肩書、地位、仕事内容、愛着のあるものなど、大切だと思うものになら何でも自己同一化してしまう。自己同一化が多いと、反応する出来事が多くなって、ストレスを感じやすくなる。
〇フレームとリフレーム
多くの場合、ストレスは「透明になっているイメージ(先入観)」が作り出している。「透明になっているイメージ(先入観)」をかけかえれば反応も変わる。NLPでは知らず知らずのうちにかけてしまっている「透明になっているイメージ(先入観)」をフレームといい、「透明になっているイメージ(先入観)」のかけかえをリフレームという。
〇イメージ
イメージの正体は、①意味(解釈)と、②印象(五感の質)。リフレームで意味づけを変える(クレーム=辛いもの→チャンス)。意味づけを変えられれば、感じ方(反応)も変わってくる。
〇アズ・イズフレームワーク
「もし達成できたら」という質問に答える形で、それはどんな自分なのか想像してみる。
〇メタアウトカム
アズ・イズフレームワークに次いで、「目標達成した後、その先にどんな素晴らしい人生が待っているのだろう。そこは目標達成したからこそ広がる素晴らしい世界」という問いに五感を使って感じてみる。
〇価値基準
価値基準があると、基準を超えれば「OK」、超えなければ「NOT OK」となる。私たちは自分を裁く規準で他人も裁いてしまっている。価値基準を緩めてみると結果的に自分も他人もありのままに受け入れられる。
〇承認
承認こそが信頼関係の土台。承認の場合人間としての存在そのものを受け入れている。だからと言って相手を甘やかすのではなく、存在そのものを受け入れたうえで、言うべきことを言うと相手にその言葉が伝わりやすい。
〇願望実現と意図実現
・願望実現のプロセス(結果によって幸・不幸が決まる)
空虚感(自己否定)→強い行動→願望→成功(強い喜び)・失敗(落胆)
・意図実現のプロセス(プロセスが満たされていて結果が気にならない)
豊かさ(自己承認)→しなやかな行動→意図→成功(喜び)・失敗(気にならない)
文字にすると少し固く難しいように見えてしまいますが、本書ではエクササイズも多く取り入れられていて出来るだけ読みやすく工夫されています。習得するなら実際にセミナーなどで体感するのが近道だと思います。価値観や結果に対する自分の考え方を客観視してみることができれば、ストレスをコントロールしながら豊かな時間を過ごすことができるということですね。