『創造と変革の志士たちへ』(堀義人)(2回目)(〇)
グロービス経営大学院堀学長の著書です。経営道場Day4の課題図書でもある本書。グロービスの教育理念やその骨子、志士として学生に期待することがまとめられています。
■ひとことまとめ
能力・人的ネットワーク・志を兼ね備えた創造と変革を担う人物になる
(印象に残ったところ‥本書より)
〇創造
ユニークな発想で、ゼロベースから革新的なものを作り上げるプロセス。流通チャネルをネット上に創造することや、新しい組織モデルの経営プロセスを創造することなども、広義で創造として捉えられる。
〇変革
既存のものを変化させ、改善させるプロセス。あらゆる企業は、当初の姿のままで成長することは不可能で、常に何らかの変革が求められる。
〇志士
高い理想を持ち、信念や主義主張を守って変えない人物のこと。志が一旦立てば人に求めるものもなく、世の中に臨むものもない。自信に満ちて意気が盛んとなり、天地古今を眺めることができるようになる。
〇グロービス経営大学院の理念
グロービスは、日本及び世界のビジネス・リーダーたる「創造と変革の志士」を輩出するビジネススクールとして存在する。グロービスは「能力開発」し、「人的ネットワークを構築」し、「志を養う」、三つの場を提供する。
・理論と実践を融合した能力開発の場
・将来にわたる人的ネットワーク構築の場
・自らの志と生き方(キャリア)を見つける場
グロービスは、数多くの志士を輩出し、日本そして世界に「創造と変革」のダイナミズムを生み出し、社会全体の成長に寄与することを使命とする。
〇能力開発
①定石:先人たちの成功パターンから共通項を見出し最善の型を体系化
②本質を見極める方法:長期で考え、大枠を見る、多面的に見る
③効果的に伝える力
〇リーダーとして必要な能力
・知識・フレームワーク(経営という知的ゲームに勝つための定石)
・考える力(今何をすべきかを認識する力)
→現状認識アプローチ(状況判断→問題発見→問題解決)
→ビジョンアプローチ(ビジョン→中長期的戦略→行動計画)
・人間関係力(人を巻き込み、引っ張る力)
→人間力、伝える力、やる気にさせる力
〇志
・リーダーの自覚なくして、志は立ち得ない
・「大いなる勘違い」をポジティブにとらえる。
・「リーダーとして今何をすべきか」という生きていく方向性を指し示すのが「志」
→自分がわくわくすることは何か?好きでかつ得意なことをやりながら、それが社会にどのように役立っているかを考えると、自らの使命が見えてくる
・志とは「成し遂げる」ということを事前に意思決定すること
〇人的ネットワーク
・人間力を高めて自らの志や信念を伝播すれば、まわりにネットワークができる
・多くの人と出会っていくことは、自らの内面を高めるためにも重要
・「人間力のある人」とは、人間的魅力や人徳を兼ね備えていて、情熱と信念を持ち行動する人
・人間的魅力を備え、良い感情を伝播できれば、その会社やコミュニティ構成員の感情は落ち着くもの
〇創造と変革を担う人に求められるマインド
・志士とは、志を胸に社会に貢献するという強い信念を持ったリーダー
・志士の五カン
①世界観:日本ばかりでなく、広く世界を見る力を養うことが肝要
②歴史観:過去、現在、未来の流れの中で、今何が求められているのか
③人生観:今なぜこの世に生まれてきたのかを考え、哲学をすること
④倫理観:中心題目は徳。ビジネスを通して社会貢献を第一目的とすること。
⑤使命感:欲望を削ぎ落とし、自らの使命を見つけて邁進すること
入学時と現在では随分感じ方が変わってきています。能力開発、ネットワーク、志の3本柱。堀学長の想いを着実に受け取り自分なりに解釈し、前進していると思います。ですが、「さらに能力を高めたい」「本当に意味がある深いネットワークが築きたい」「志をさらに具体的に明確化したい」と悩みは尽きません。これからも止まることなく、考え、行動し続けることこそ、意味のある学びなのでしょう。
創造と変革の志士たちへ 真の実践力を身につけるための「自分の磨き方」
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