今最もはまっているシリーズ。著者の世界に引き込まれ、すっかり魅了されています。史実を押さえ、歴史書の解釈、著者なりの事実分析などが組み合わさった結果、とても魅力的な著者のワールドが出来上がっているのでしょう。全15巻、先は長いですが、年内には読破したいと思います。
知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルト(ガリア)やゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人がなぜ一大文明を築き上げ、それを長期に渡って維持することができたのか。ローマの大物語のはじまりです。
(第Ⅰ巻のポイント‥本書より)
〇主な年表(第Ⅰ巻は以下の500年が描かれています)
・紀元前753年:建国
・紀元前509年:王政を廃し、共和制へ
・紀元前449年:十二表法採択
・紀元前367年:リキニウス法成立(2名の執政官による寡頭体制)
・紀元前287年:ホルテンシウス法成立(貴族対平民抗争完全沈静化)
〇ローマ興隆の要因
・宗教についてのローマ人の考え方
他の宗教を認めるということは、他の民族の存立を認めること(ディオニッソス)。
・ローマ独自の政治システムの確立
王政・貴族政・民主政の利点を取り入れた独自の政治システムの確立によって、ローマは国内の対立関係を解消でき、挙国一致の体制を築くことができた(ポリビウス)。
・敗者でさえも自分たちと同化する生き方(プルタルコス)。
・上記の要素をすべて兼ね備えた開放的な性向にあった(著者)。
〇印象に残った言葉など
・人間の行動原則の正し手を、宗教に求めたユダヤ人、哲学に求めたギリシア人、法律に求めたローマ人。
・道路が国土の動脈であることは、今日ならば誰もが知っているが、2300年の昔、それを分かっていたのはローマ人だけであった。ローマの街道は、政治・軍事・行政上の必要から施設されていく。どこそこへ通う道という意味の名称では呼ばれず、施設させた人物の名前で呼ばれるのが通例になる(アッピア街道=アッピウス・クラウディウス・カエクスが施設)。どこそこへ通う道という名称を与えたのでは、道をそれ以上伸ばすときに都合が悪い。