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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

志を継ぐ(上甲晃、鍵山秀三郎)

『志を継ぐ』(上甲晃鍵山秀三郎

 長年、松下政経塾の中枢で活躍され、「志」というテーマを追求されている上甲氏とイエローハット創業者で「凡事徹底」「平凡なことを非凡に務めること」の偉大な力を実践を通じて体得された鍵山氏の対談をまとめた本です。

 人生経験豊富で多くの人材と接してこられているお二人の対談からは生きた学びと深い示唆が得られると思います。

 

■ひとことメモ

 「真理は平凡の中にあり。難しいことをやる前に当たり前をしっかりやる」

 

(印象に残ったところ‥本書より)

松下幸之助氏のことば(松下政経塾にて)

 「天下の掃除をする前に、身の回りの掃除をしっかりやりなさい。身の回りの掃除もできない人に、天下の掃除はできない」

 

〇「掃除なんかやってどんな意味があるのか?意義・効用をちゃんと説明してください」という問いに対して・・

⇒「分かってやろうとするな、やれば分かる」(上甲氏)。政経塾で掃除の大切さがなかなか理解されなかった理由はおそらく塾生の方々のもくひゅおが小さかったからだと思う。大きな目標をしっかり持つと、人間というのは自ずからどうしたらいいかということが分かってくるから、そこで掃除と言われればすぐに理解できる(鍵山氏)。

 

〇「私は社風を穏やかにするために掃除に取り組んだ。くる日もくる日も続けているうちに会社の雰囲気が激変した。それで私は確信した。きれいにすることは偉大な力を持っていると」(鍵山氏)

 

〇不便・不自由・不親切

 「なまじいろいろお世話をしてあげるから文句ばっかり出てくるわけで、それはまさしく贅沢病。逆に与えなければ塾生たちも自分でやるしかない。自分でやることによって初めて達成の喜びを感じられるので、不便・不自由・不親切を徹底してやっていこうと肚を決めている」(上甲氏)

 「手厚くお世話をしたら事故が無くなるかというと、逆に増えたりする。誰かが何とかしてくれると思えば、緊張感もなくなって自分で注意しませんから、当然のことだと思います」(鍵山氏)

 

松下幸之助氏のことば(面接会場にて)

 「人間はみな、入ってくるときはよそ行きや。出ていく時に普段の姿が現われるんや」(松下氏)。⇒「あるホテルの支配人も仰っていました。チェックインするときはよそ行きだけれども、チェックアウトした後の部屋を見ればその人の人柄がわかると」(鍵山氏)

 

〇いかなる教育も逆境から学べるものには敵わない

 「何事かをやり始めて成功するまでには3段階ある。第一段階は嘲笑される、笑いものになること。第二段階は激しい抵抗と反対を受けること。この二つを経て、第三段階にして初めて物事は成功する」(ドイツ哲学ショーペンハウエル

 「逆境がチャンスというけれども、それには前提条件がある。目標や志がないと、逆境は逆境でしかない。さらに掘り下げると、挑戦しない限り逆境は来ない」(上甲氏)

 

〇手間暇をかける大切さ

 「実際にやってみること、そして手間暇をかけることによって初めて大切なことにいろいろと気づける」(鍵山氏)

 

〇凡事徹底

 「本当に大事なことはそんな難しいところにはない。難しいことをする前に、まず当たり前をしっかりやること。まさに鍵山さんが説き続けてこられた「凡事徹底」ということ」(上甲氏)

 

〇一次情報

 「インターネットに向かう前に現場に向かうこと。まず現場に行って、現場をこの目で見て、この耳で聞いて、この手で触って、この体で感じる。それをもとに考えたことは、まさしく自分にしか持てないオリジナルの情報。どんなときにも現場に行こう、体験を通じて学ぼうというのが基本」(上甲氏)

 

〇真理は平凡の中にある

 「変わったもの、新しいもの、特別なものばかり求めていると、いつも自分が取り残されているのではないか、自分だけ知らないのではないかという焦燥感が生まれて結果的にそれが精神を病んでいくことにもつながる。真理は平凡の中にあり、そんなに難しいところにはない」(上甲氏)

 

 言葉にすると難しいことを仰っているわけではありません。できるかできないか。やるかやらないか。当たり前をしっかりやる。平凡を非凡に。「真理は平凡の中にある」という言葉に凝縮されているように思います。考えてみれば、スポーツでも音楽でもみな当てはまることですね。

 そう考えると、「著者の経験からの示唆」と「意義は?効果は?という未経験者の気持ち」をどうやって埋めるかという点について、解決の手がかりが見つかるような気がします。

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