MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

このパ・リーグ球団の「野球以外」がすごい!(長谷川晶一)

『このパ・リーグ球団の「野球以外」がすごい!』(長谷川晶一)

 タイトルに食いつきました!

 著者がおもしろすぎです。2005年よりプロ野球12球団のすべてのファンクラブに入会し続け、さまざまなイベントへ参加。取材も行い、著書も多数。そんな著者の経験から、パ・リーグの野球以外の仕掛けについてまとめたのが本書です。MBAでいうならマーケティング(とくに顧客接点、顧客インサイト系)の領域です。

 セ・リーグに比べ集客に苦労するパ・リーグ。応援を楽しく、球場に来たくなる、選手を好きになってもらう仕掛けにどんな特徴があるのか。パ・リーグ6球団をとっても工夫は様々。イケてるもの、イケてないもの。6球団を比較検証した結果とは・・。

 この本は、写真を見たほうが伝わるので、本屋で手に取ったほうが良さが伝わります。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇オマエは誰だ!?ボブルヘッドの”似ていない問題”を考える

 ①海外製で一つひとつ手作り。だから選手に対する知識や思い入れがない。②ポーズが直立不動で硬すぎる。⇒だが、改善も見られる⇒表情と雰囲気で似せる。ポーズとシチュエーションで似せる。

 

〇選手プロデュース弁当の”お腹いっぱい”な世界

 基本は、ハイカロリー、ハイ塩分、そして肉と炭水化物攻撃。中田翔(日ハム)に至っては、カレーライスにたこ焼き6個を投入する常人では考えつかない荒業。

 選手は何をプロデュースしているのか。①選手の大好物(ソフトバンク柳田選手の「ギータの焼き魚好きッス弁当」、②選手出身地のご当地系(日ハム陽岱鋼選手の「陽岱鋼のアジアン弁当」)、③選手の名前ダジャレ系(楽天嶋選手の「シマシマ弁当Ⅱ」)、④よくわからない系(ロッテサブロー選手の「サブティーニ」(カクテル))。。。

 

〇このチアリーダーにめろめろ

 オリックス・バファローズは他球団のように「チアリーダー」との位置づけではなく、ダンス&ヴォーカルユニットという肩書。全員エイベックスに所属し、CDもリリース。完全にプロのシンガーとダンサーが集まってチアもしているという様相を呈している。

 

〇仕事をさぼってでも行きたい、スペシャルイベントデー

 勝敗に依拠しない新たな満足度の創出という難題への挑戦。その際に重要な役割を果たすのが「スペシャルイベント」。シリーズ期間は全球団がスペシャルユニフォームを着用。対象試合ではそのレプリカユニフォームをプレゼントしている。

 

 上記のほかにも、アメニティ、スタッフ、コラボ&限定アイテム、マスコット、福袋、通販力など魅力的な分析多数です。実際に、すべての球団の福袋を買い、通販を利用するなど、野球好き度がハンパではありません。でも実際は、ヤクルトファンというところが笑えます。

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