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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

WHYから始めよ!(サイモン・シネック)

『WHYから始めよ!』(サイモン・シネック)

 少し鍛錬すれば、どんなリーダーや組織でも、組織の内外の人たちに感銘を与え、やる気を起こさせ、アイデアやビジョンを発展させる手助けができる。本書は、人を奮起させ感激させ、鼓舞することに成功した個人や組織が取ってきた成功パターンは、Whatでもなく、Howでもなく、「Why」から出発していることを解き明かしています。発想はいたってシンプル。ちょっと気にかけておくだけで、言動・行動が変化する一冊です。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇「操作」から忠誠心は生まれない

 操作はごくありふれた戦略。効果はあるが、長続きしない。

価格戦略:価格競争は麻薬に手を出すようなもの。断つのが難しい。

・プロモーション:キャッシュバック、恐怖心を利用、上昇志向のメッセージ、仲間集団からのプレッシャー

・目新しさ(自称イノベーション):「目新しさ」と「イノベーション」の混同。

 

〇ゴールデンサークル(円の内側から「Why」→「How」→「What」の3つの円)

 ゴールデンサークルは、人間の行動には予測可能なものがあり、そこには理法があることを教えている。

・What:企業や組織は、自分のWhat(していること)が分かっている。

・How:自分がしていることのHow(手法)を知っている人や企業も中にはある。

・Why:自分が今していることをしているWhy(理由)を名言できる人は少ない。

 大半の組織や人間が、円の外側から内側に向かう順番で、つまりWhat→How→Whyで考え、行動し、コミュニケーションをとる。しかし、傑出した企業やリーダーは、円の内側から外側(Why→How→What)の順に考え、行動し、コミュニケーションをとる。

 

〇人々はWhyを買う。

 人々はWhatを買うのではなく、Whyを買う。アップルのメッセージはWhyから始まる。アップルの製品はWhatではなくWhy。彼らの製品は信念に命を吹き込んだもの。企業のWhatは表面的な要因であるが、Whyはもっと深い。

 

〇Whatで自分を定義してきた企業

 アメリカの鉄道会社が衰退したのは、「わが社は鉄道会社」と認識していたから。もし、「自分たちは大量輸送ビジネスに関わっている」と認識していたらどうなっただろうか。Whatを定義してきた多くの企業や産業は、長きにわたって生き残っているだろうか。あまりにも長い間同じ手法をとってくると、新たなテクノロジーに対抗したり、新たな物の見方を獲得したりするのが、ますます辛い任務になる。新聞・出版・テレビ業界もしかり。

 

〇生物学的視点

 どこかに帰属したいという願望は人間が持つ普遍的なもの。どこかの一員になるためなら苦労を厭わない。会社が自分たちのWhyを、つまり自分たちが信じているものについて語り、消費者もその信条に共鳴すれば、私たちは苦労をしてでも、その会社の製品やブランドを自分の生活に取り入れようとする。Whyを曖昧にしている企業は、低価格、特長の数、サービスや製品の品質といった「操作」で差異化をはかり、勝負せざるを得なくなる。

 

〇Howの訓練

 Whyを明確にしたら次はHow。指針を明確にするには、「名詞」ではなく「動詞」を使う。「誠実」「実直」「イノベーション」「コミュニケーション」では、はっきり説明し人々を団結させるのは不可能に近い。「誠実」ではなく、「つねに正しいことをしよう」、「イノベーション」ではなく、「問題を違う角度から眺めよう」と動詞で表現すること。

 

〇終始一貫したWhatを貫く

 Howはその信条を理解するために起こす行動。Whatはそうした行動の結果。

 

ティッピングポイント

 ある点を超えれば、世界が一気に大きく変わる転換点のこと。例えば、初期採用者と初期多数派の間に存在するキャズム。この溝を渡すのは難しいが、Whyさえ分かっていれば、その溝を渡るのは難しいことではない。

 

 終始一貫して、Why、How、Whatの関係性について、企業や著名なリーダーを例にあげて解説されています。企業理念の浸透と顧客コミュニケーションについて、表現を変えて説明しているとも言えます。要点はシンプル、実行は難しいというテーマです。

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

 

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