『パリピ経済』(原田曜平)
パーティーピープル、略してパリピ。『ヤンキー経済』や『さとり世代』などの著書を発表してきた博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーである著者が、国民的行事となったハロウィンや9万人を動員する野外フェスULTRA、ラブホ女子会、リムジンパーティー、オクトーバーフェストの背後にいるパリピの実態に迫った一冊です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇ハロウィンの市場規模(2015年)
約1220億円(前年比11%増)。2011年の560億円からわずか4年で倍増。2014年バレンタインデーの市場規模(1080億円)を上回る規模。
〇パリピ(party people)とは
パーティーやクラブイベントに代表されるようなにぎやかでキラキラした集まりに参加して大騒ぎするのが大好きな若者。彼らが持つ最大の能力は、自分たちが飛びついた新しいモノやコトを、他の若者たちに拡散・伝播できること。
〇パリピが流行らせたもの
・自撮り棒(セルカ棒)
・リムジンパーティー
・ナイトプール(都内ホテルが夜の時間帯に開放するプール)
・オクトーバーフェスト(世界中のビールを提供するイベント)
・ラン系イベント(泡まみれで走るバブルラン、光ものを付けて走るエレクトリックランなど、特設コースでお祭り気分で走るイベント)
・ULTRA(DJがパフォーマンスする野外フェス)
・スライド・ザ・シティ(何百mにもわたるウォータースラーダー)
・バチェロレッテ・パーティー(独身最後のどんちゃん騒ぎ)
・イースター(キリスト復活祭‥卵とウサギがシンボル)
・インスタグラム(画像撮影・共有アプリ)
・スナップチャット(送信した画像が最大10秒で自動削除される)
・メルカリ(売りたいものをスマホで撮影して出品)
・ヒリゾ浜(南伊豆の秘境スポット)
・ホリスター、アバクロの服(米国カジュアルブランド)
〇パリピの特徴
・大規模イベント、野外フェス、クラブが大好き
・友達数が多く、SNSを積極利用
・喫煙率が高い傾向
・お酒をよく飲む
・外国人とのコミュニケーションを好む人が多い
・肌の露出が多い、セクシーな服を好む
・楽しむためにはお金、時間、労力を惜しまない
・社交的でコミュ力が高い
・ノリがよく、フットワークが軽い
・海外かぶれの人が多い
・生活満足度が高い
・家の裕福な人が多い
〇パリピはアーリーアダプター(イノベーター理論)
①イノベーター:フィクサー(帰国子女、クリエイター系、富裕層ジュニア)
②アーリーアダプター:パリピ
③アーリーマジョリティ:サーピー(サークル・ピープル)
④レイトマジョリティ:パンピー(一般people)
⑤ラガード
〇サーピー(サークル・ピープル)
大学内の特に遊び系サークルに属している人たち。世の大人たちが一般的に「派手に遊んでいる大学生」をイメージする場合、大半がこのサーピーを指している。サーピーは、パリピが嗅ぎ付けたトレンドを消費する”大衆”。パリピは人と繋がることが第一目的だが、サーピーは情報を拡散することが第一目的。Twitterなら、フォロー数が多いのがサーピー、フォロワーが多いのがパリピやフィクサー。
〇パリピとサーピーを見分ける方法
・トレンドにいつ乗ったか:サーピーは一歩遅れる
・クラブ通いが日常であるか
・サーピーは大人数で群れる
・上位パリピのバイト先は、クラブ、バー、イベントプロモーションのアシスタント。サーピーは、居酒屋、チェーンの飲食店。そもそもパリピは金銭的余裕がある人が多い。
初めて聞く単語の多いこと・・。なんのこっちゃ・・・という感じで読みはじめましたが、こういう人たちが世の中のブームを作っているのかと、発見が多く、おもしろい内容でした。パリピのひとたちは、自分たちをパリピとは思っておらず、自分もパリピと思っているひとは、実はサーピーということかな思いました。かなり遠い世界です。