MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則(マーシャル・ゴールドスミス&マーク・ライター)

コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(マーシャル・ゴールドスミス&マーク・ライター)(〇)

 世界的大企業の経営者80人以上をコーチしたことで知られる、エグゼクティブ・コーチングの第一人者による実践コーチング法。クライアントは優れた人たちだが、どういうわけか、心の中の地図の「現在地」を見失っている。本書はオフィスの迷路で間違った道を曲がった人たちを正しい道に戻す地図的役割を果たす一冊です。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇成功した人ほど変化を嫌う

 自分の行動を変えるということを含めて、人が何かをするのは、自分の価値尺度からみて自分の得になると考えるときだけ。自分の意志を曲げて、自分でコントロールできないことをしようとすると、自然の法則が働く。成功した人が行動を変えようとする理由はほとんどない。一方、現状を維持しようとする理由はたっぷりある。

 

〇あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖

 私たちはリーダーに何をすべきか教えるのに多大な時間を使うが、何をやめるべきかを教えるのには十分な時間をかけていない。私が今まで出会ったリーダーの半数は、何をすべきか学ぶ必要はない。彼らが学ぶ必要があるのは何をやめるべきかだ。

①極度の負けず嫌い

 何を犠牲にしても、どんな状況でも、全く重要でない場合でも、「勝ちたい」と思う気持ち。

②何かひとこと価値をつけ加えようとする

 どんなことにでもちょっと口出ししたいという強い欲望。

③善し悪しの判断を下す

 他人を評価して、自分の基準を他人に押し付けようとする気持ち。

④人を傷つける破壊的コメントをする

 不要な皮肉や痛烈なコメントをする。そうすれば自分が切れ者で機知のある人に見えると思う。

⑤「いや」「しかし」「でも」で文章を始める

 これらの否定的・限定的な言葉を使いすぎる。ひそかに「私が正しいんだ。あなたが間違っている」と言っているようなものだ。

⑥自分がいかに賢いかを話す

 他人が考える以上に私は賢いんだと見せたい欲望。

⑦腹を立てているときに話す

 感情的な興奮を経営ツールとして利用する。

⑧否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う

 頼まれもしないのに否定的な考え方を他人に吹き込もうとする。

⑨情報を教えない

 優位な立場を保つために、情報を他人と共有しようとしない。

⑩きちんと他人を認めない

 賞賛し褒賞を与えることができない。

⑪他人の手柄を横取りする

 成功に対する自分の貢献度を過大評価する一番嫌な手口。

⑫言い訳をする

 不愉快な行動を、変えることのできない生まれつきのものとして片づけ、他人がしかたないと思うようにさせる。

⑬過去にしがみつく

 自分の責任を過去の出来事や人のせいにする。自分以外のすべてのせいにすることの一例。

⑭えこひいきする

 誰かを不公平に扱っていることに気付かない。

⑮すまなかったという気持ちを表さない

 自分の行動に責任を取らない、間違いを認めない、自分の行動が他人にどう影響したかを認めることができない。

⑯人の話を聞かない

 職場の人に対して敬意を払わない、もっとも受動攻撃的な形。

⑰感謝の気持ちを表さない

 非常に基本的な悪いマナー。

⑱八つ当たりする

 たんに手助けしようとする罪のない人を攻撃したいという誤った欲望。

⑲責任回避する

 自分以外の人みんなを責める。

⑳「私はこうなんだ」と言いすぎる

 自分の欠点をまるで長所のようにほめそやす。それが自分なんだと主張する。

 

 本書では、この20の悪癖を解説したあとに、フィードバック、謝罪する、公表・宣伝する、聞くこと、ありがとうと言う、フォローアップなど、どうすればよくなれるのかという点について、具体的に書かれています。20の悪癖は、実際のクライアントに見られる現場からのフィードバックであり、気を付けておかないといけない、戒めの言葉ですね。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

 

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