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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」(ジャック・ウェルチ&スージー・ウェルチ)

ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」』(ジャック・ウェルチ&スージー・ウェルチ)(〇)

 日本の経営の神様が松下幸之助さんなら、世界の経営の神様は、1981~2001年までGEのCEOを務めたこの方。2005年の『ウイニング』からはニュートロン・ジャックと綽名されたドギツイ印象を受けましたが、本書は、達観し円熟した人間味あふれる内容。経営の基本を押さえたMBA生が実際に会社を動かす場面で心得ておくべきこと、いわば学びを活かす心(ソフト)の部分に焦点を当てた内容です。経営の神様が語る「13の教え」は心に響きます。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

①つまらない仕事を取り除く

・みんなの考えを一つにするには、「一貫性をとること」と「リーダーシップ」が必要。どちらか一方が欠ければ、もう一方もあり得ない。

・「一貫性」が重要なのは、ミッション、行動、結果。

・心の奥底に入り込む。リーダーはスポーツのコーチに似ている。選手の動きに昂奮した気持ちを隠そうとせずにコートの外で飛び跳ね、ベンチに戻ってきた汗だくの選手を抱擁する。

・自分はチーフ・ミーニング・オフィサー(仕事に意義を見出す最高責任者>だと考えよう。

・部下の仕事の障害を取り除こう。カーリングのストーンが進む前を放棄を使って必死に表面を磨く。この選手のすることは、まさに優れたリーダーのすること。

・「気前の良い遺伝子」を喜んで見せよう。最高のリーダーが共有する特徴は、昇進させることが大好きだという点。

・仕事が楽しくなるように。厳しい時にも社員が仕事をしたいと思うようでなければならない。そうするのはリーダーの仕事。

 

②大失敗をして、よくなる

~略~

 

③成長がなければだめだ

 成長をさらに強化する方法。

・新鮮な視点を持つこと

・何をするにしても経営資源を分散させないこと

 成長したいなら、分散してリスク回避をしようと考えてはならない。大きく勝つために、大きく打って出よう。

イノベーションの定義を見直し、誰もが自分の仕事として考えるようにすること

 絶え間ない、継続的な通常業務であるべき。

・最優秀な人材を成長のために投入すること

・褒賞を正しく行うこと

・何としてでも、反対者をこちら側に引き入れること

 

 

④複雑なグローバリゼーションというもの

Win-Win

 Win-Winの状況をグローバルに作りだしたいなら、ものすごく公平に振る舞い、長期的な計画をたてるべき。

・優れた判断力を持つ人材を送り込んでいるか?

・リスクにに対して現実的か?

 やり過ぎと思うほど、コンプライアンスを強化すること。

・海外進出の利点をフルに活用しているか?

 輸出や調達だけでなく、学習とイノベーションを遂げる場である。そのチャンスを逃せば、グローバルに出る楽しさと価値の半分を捨てるようなもの。

 

⑤もう財務を恐れない

 財務で関心があるのは一つだけ。それは「差異分析」。

 財務における数字とは、より良いビジネス判断をするための手段だと理解させてくれるのが差異分析。もし使わなければ、重要な事柄を見逃してしまう。差異とは、財務諸表上の数字の増減のうち、はてなと首をかしげたり、不安に思ったり、好奇心満々に「なぜだ?」と尋ねたくなるようなものすべてのこと。

 

⑥マーケティグをどう考えるか

マーケティングのテクノロジーの革命とともに、消費者も変わりつつある。かつてないほど消費者は賢くなっている。一つのことに注目する時間が短くなった。マーケティングは自己改革を続けなければならない状況にある。

マーケティングを取り巻く絶え間ない激変の耳障りな雑音に気を逸らされて、そもそもマーケティングとは何かを忘れてはならない。適切な商品、適切な場所、適切な価格。適切なメッセージを適切なチームが伝えること。それは変わることがない。

 

⑦危機管理

~略~

 

⑧リーダーシップ2.0

 リーダーシップはとても簡単な2つのこと。

・真実と信頼

・絶え間なく真実を求め、たゆまず信頼を築く

 

⑨素晴らしいチームを築く

・採用で成功するには自制心が必要。それに尽きる。会社が勝つために必要なスキルと行動は何かを知らなくてはならない。候補者がそれらを兼ね備えているかどうかを徹底的に調べ、それにかなった人だけを採用する。ここが肝。厳しくやれば成功の可能性は高まる。良い人材を採用しようとしたら、準備無しのぶつけ本番ではダメだ。

・人事部を総務の細々した仕事から解放させ、本来の仕事に専念させよう。本来の仕事、それは人材を探し出し、キャリアを開発し、人生も会社も買えるようなチームを構築する手助けをすること。

 

⑩天才、さすらい人、盗人

・何といってもマネジャーの大きな仕事は、上位20%の社員を抱きしめ、サポートし、元気づけること。そして、貴重な中間70%にはアドバイスし、コーチングすること。

・マネジャーとしての最も貴重な経営資源は、注意に割く時間やエネルギー。最高の人材に投資し、将来性のある人たちにトップ人材になってもらうことに向けるべき。

 

⑪私の人生をどうしよう?

~略~

 

⑫キャリアで行き詰らないために

~略~

 

⑬勝負は最後までわからない

~略~

 

 とても濃密な全13章。冒頭の「はじめに」では、「ビジネスに関しては、いくら学んでも学び足りることはない・・・いまだに日々勉強だ。直近の10年で、とりわけ視野を広げることができた」と、20世紀最高とも言われる経営者であっても日々成長。この姿勢を学びたいと思いました。

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