『ビジネス・ペップトーク』(占部正尚)
ペップトーク?なにそれ・・・「ペップトーク」という言葉に出会ったのは、わずか1カ月前。ペップトークとは、相手のポジティブな力を引き出すショートスピーチで、スポーツ界、教育界、医療界、ビジネス界などから人々が集まって、ペップトーク普及協会が立ち上がっているとのことです。どんな領域なのか?と興味を惹かれて読んでみましたが、実にコーチングともとても相性が良いジャンルで、これは活用の幅が広くて面白そうです。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇ペップトークとは
・目的:精神面の生産性向上→豊かな発想、ポジティブな組織風土を形成
・発想やスタンスの変換
これまでは、上司先輩は部下後輩を教え導く存在
→これからは、上司先輩は部下後輩のドリームサポーター
これまでは、ネガティブ発想や伝え方、無いものに考えが向きがち
→これからは、ポジティブな発想や伝え方、今あるものを受け入れベストを尽くす
・変換するための3つのステージ
①セルフ・ペップトーク
自分の最高の応援団は自分自身。自分へ語り掛ける短い励ましの言葉
キャッチフレーズ、三三七拍子など
②ゴール・ペップトーク
本番を目前にした部下や後輩に対し、最高の力を引き出すために語る背中の一押し
捉え方変換、してほしい変換
③ビジョン・ペップトーク
聴衆を魅了し、共感と感動を呼び、成果に向けて行動を起こさせるショートスピーチ
よりビジョンが伝わるストーリー
〇準備段階(パテモの法則)
・パッション
最初は形だけでよいので、元気よく挨拶したり笑ったり、行動や言動を変える
・テンション
自身の意識や周囲の反応に変化が現われはじめ、文字通りテンションが上がってくる
・モチベーション
明るく元気のよい状態が当たり前となり、何かに取り組むに当たってポジティブになる
〇導入段階
・発想法
現状の受入れ→捉え方変換→してほしい変換
・演出(人が心から動くための演出→気づきを得るために)
・3つの感動(リフレッシュの感動、共感型の感動、実践型の感動)
・感動を呼ぶキーワード、キーワードになる「共通の指針」
・目的・ゴール・ビジョン・目標
〇3つの承認
①結果の承認
「よく頑張ったね!!」「次は、〇〇を意識すると、さらに良い結果がえられるよ」
②行動の承認
「頑張っているね!」「〇〇を取り入れると、さらに良い結果につながるよ」
③存在の承認
「いつも、ありがとう」「いてくれて、業務がはかどって助かるよ」
〇捉え方変換
Yes・But法にも通じる。ネガティブな状況をポジティブな(肯定的な)発想へと捉え方を変換して、そこから生まれてくる言葉を自分や相手に投げかけることで事態をプラス方向へ動かす。
〇してほしい変換
「~をするな」と否定形で伝えるのではなく、「~をしなさい」「~をしてほしい」と肯定的に伝える。
〇相互理解
ペップトークは相手に対して「やる気を引き出してあげたい」「良い成果を出させてあげたい」と願いながら行う物なので、「相互理解」がなければ単なる押しつけであったり、一人相撲で終わる。
〇ペップトークのシナリオ(ペップトークはこの頭文字をとったもの)
①序章(Prologue):現在の状況、話のきっかけ
②事例(Example):業界の事例、経験、捉え方変換のきっかけ
③捉え方変換(positive):状況をポジティブンに捉えた考えた
④教訓(teach):伝えたい思い、してほしい変換のきっかけ
⑤してほしい変換(Action):行動方針、何をしてほしいのかのポイント
⑥先導(Lead):勇気を与え、決意をうながすきっかけ
⑦背中の一押し(Kick Off):相手が一歩を踏み出すための送り出し
具体的にどう話せばいいのか?本書には具体例が多く記載されていますので、イメージは掴めると思います。コミュニケーションに関することなので、概念を掴めばあとは実践。一度研修・セミナーで体験してみたくなりました。