『神の福になった少年』(丘修三)
著名な本ソムリエのお薦め書籍です。仙台のあちらこちらの商店で商売繁盛の福の神として写真が飾られている芳賀四郎(通称:仙台四郎)さん。明治の初めを生きたこの方は、知恵が遅れていたために、みんなにばかにされながらも、自分らしく素直に人生を生き抜き、そして、四郎さんに偏見なく関わっていく人たちの商売が繁盛していくという不思議な人物。
本書は、そんな少年の物語。四郎さん側から読んでみると、素直に自分らしく人生を生きるってどういうことか、逆に四郎さんに関わる人たちの側から読んでみると、損得勘定に振り回される人や都合の良い人間たちの行動、言動について、考えさせられる内容でした。
物語なので詳細は割愛しますが、さまざまな人間模様の中で、商売の成績と人間性という観点から、何がその差になるのかと考えながら読むと、人に向き合うことが単に人間関係だけにとどまらないことに気付かせてもらえました。