『自分の時間を取り戻そう』(ちきりん)
忙しすぎる毎日。本書はそんな多くの人が感じている「時間」について、生産性(アウトプット/インプット)をキーワードとに捉え直し、超多忙な生活から脱し、自分の人生を楽しむ力を高めていこうという内容です。ちきりんシリーズの特徴である、平易で分かりやすく書かれていますので、すっと理解できます。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇忙しすぎる問題の本質
①長い時間働くことによって、問題を解決しようとしている。
②すべてのことを「やるべきこと」と考え、全部やろうとしている。なにもかも完璧にやろうとしている。
③不安感が強すぎて、「NO」と言えなくなっている。
④「とにかく頑張る」という思考停止モードに入ってしまっている。
〇お金と時間
時間を大切にするためにもっと気を付けるべきことは、自分の時間を簡単に売らないこと。「お金が手に入るなら、人生の時間が減っても気にならない」という労働時間投入型の考えに染まらないように。
お金は、いかに使う額を減らすかという節約術に頭を悩ませるより、「できるだけ有効に使おう!」と考えてみる。「先月(orこの半年)で最もお金を有効活用できた支出best3は?」と聞かれると意外に出てこないもの。
〇生産性(付加価値/投入時間)
・得られた成果/投入した希少資源=アウトプット/インプット。
・頑張って時間を投入しても得られる成果が少なければ生産性は下がる。
得られる成果が0以上であれば、成果が出たと達成感に満足するが、実は生産性が下がっていることに気付かない。
・投入する時間を増やしても、得られた成果も投入に見合う分しかなければ、生産性は横ばい。限りなく、残業を増やし続けることになる。
〇頭がきちんと動く時間
1日約4時間が集中力が高まる時間。「頭が動くときにしかできないTo Doリスト」と「頭が動かない時間にでもできるTo Doリスト」に分けてやるべきことを考える。
〇インプットを制限する具体的方法
①1日の総労働時間を制限する
②業務ごとの投入時間を決める
③忙しくなる前に休暇の予定を立てる
④余裕時間をたくさん確保する
⑤仕事以外のこともスケジュール表に書き込む
〇無駄な時間を減らすための具体的方法
①「すべてをやる必要はない!」と自分に断言する
・「すべての仕事をやる必要なんて全くない。重要な仕事だけ終わらせばいいんだ」と思っていると、難しくても重要な仕事に最初に手を付けることができる。
・「全部をやる必要がある」と考えている人の多くは、やれば終わることからやり始め、付加価値の低い作業で仕事時間を埋め尽くしてしまう。これでは、肝心の重要な仕事では成果が出ない。
②まず「やめる」
・最初に「やらないと決めてから、やらなくてすむ方法を考える」のが、時間を捻出するポイント。
③「最後まで頑張る場所」は厳選する
④時間の家計簿をつくる
・「時間が足りない!」と感じているなら、同じように時間の使用記録を取るのが最初の一歩。常に時間が足りないと悩んでいる人の「時間家計簿」にも多くの使途不明時間が見つかる。
「高速道路に乗るか、下道を走るか。これは時間をお金で買うということ」。昔そんな話をしたことを思い出しました。
本書の中で共感できたところは、「すべてをやる必要はない」ということ。やらない、誰かにお願いする、お金を支払うことで対応する。いろいろな選択肢がありますね。そして、おもしろいなと思ったのは、「時間家計簿」。お金が溜まらない人は、使ったものが何かわからない、時間が足りない人も、何に使ったか分からない時間があるという点です。時間とお金、ともに節約してためるというよりは、うまく使いましょう!まさに、その通りだと思いました。