『多眼思考』(ちきりん)
2014年に発売された本書は、著者がTwitterでつぶやいた27,000ツイートの中から、ユニークなメッセージを含むつぶやきだけを厳選して抽出した、濃密な「思考と思想」の本です。Twitterは何かのテーマについて深く学ぶことはできないけれど、ツイートを継続的に追っていくと、その人の視点や思想に感じては、同じ人が一つのテーマについて考えた本を読むよりも深く理解できることが多い。そんな著者の「モノを見る眼」を伝える一冊です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇風が吹いている方向ってエネルギーが凝縮しているから、成功すると非常に大きい。しかも無秩序でぐちゃぐちゃなので、失敗しても「何とかする力」が手に入っちゃう。
〇そもそもの大原則として、人を破滅させるのは、「1回目の失敗」(浮気、投資や事業の失敗など)ではなく、「2回目の失敗」(それを誤魔化そうとする行為)であるってことを、みんなよく覚えておくべきだよね。
〇5年後にどこで何してるかわかっちゃうような人生はまっぴらごめん。
〇40代とか50代の人ってさ、若い子に「夢を持って頑張れ」とか言っているヒマがあったら、自分が夢を持って頑張ったほうがいいと思うよ。いやまじで。
〇「大きなことを成し遂げた人」が交配に指導をしたくなるのではなく、「自分の可能性が、過去ほどは無くなった」と思った人が、後輩に指導をしたくなるのです。
〇どんなスゴイひとからアドバイスを貰っても、それで人生が変わったりはしない。人を変えるのは、誰かじゃなく自分だってわかってるし。
〇大事なことは自分で自分の足に、足枷をはめないこと。足枷が付けられている人の半分以上は、それを自分で付けている。
〇「努力すればできる」とか言う人は、努力してもどうにもならないレベルのことに挑戦したことがないだけ。甘っちょろい世界で生きてきたってことなんだよね。
〇新人が真っ青な顔で「やばいいっす!」って言ってきたら先輩や上司は「よしきた!」って思えばいいのです。その問題を解決するために、あなたは雇われている。
〇23歳から70歳まで47年間働くことになる。20代の人にとって、「一生に一つの仕事」とか、「一生、一つの会社」とか、もうありえないと思うんだよね。
〇「みんなと同じことをやる」→「供給過多の海に、自ら飛び込む」→「仕事の単価はまず上がらない」と理解すべき。
〇「人生はあと10年!」(と思って生きる)と決めてから、つまらないこと、ウザいこと、つらいことは何もできなくなってしまいました。ごめんよ、神様。
〇大丈夫、人生は何かを成し遂げるためにあるんじゃなくて、楽しむためにあるんだから。
〇「将来、子供に負担をかけたくない」という親は多い。そういう人がやるべきは、老後資金を貯めることではなく、早めに子供から自立して、自分自身で前を向いて生きていくことなんだね。
〇去年、100万円分の貯金が増えたと喜んでいる人は、「もしかして自分は100万円分の貴重な経験を取り逃がしたのではないか?」と真剣に振り返ってみたほうがいい。
〇変化が嫌いな人ってさ、過去に生きてる人なんだよね。
「生きること」、「働くこと」、「社会、少子化・高齢化と男と女」、「ゆるく考えよう」、「ビジネス」、「グローバリゼーション」、「自立&未来へ」とテーマが分かれていますが、現在学んでいるコーチングに活かす観点から気になった内容を取り上げてみました。
全体を通して感じたのは、「縛られない自由な生き方」。時代の大きな流れや社会の変化は客観的にとらえ、その中で自分がどうやって生きていくのかという点が印象的でした。