『フセンで考えるとうまくいく』(平本あきお)(〇)
チームフロー代表の平本さんの著書。フセンを使った様々なコーチング術について、まとめられています。本書では個人ワークとして実施できるように書かれていますが、実際にはセミナーやコーチングの場で使えるスキルです。①整理、②発見、③協力、④計画、⑤行動、の切り口から、実践的な使い方が学べます。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇フセンを使うメリット
①誰でもすぐに始められる
②モヤモヤした状態のままで始められる
③ワンフレーズで書き出しやすい
④はがして動かせる(→強粘着タイプがお薦め)
⑤簡単に差し替え、移動、捨てたりできる
⑥カラフルで感情を揺さぶってくれる
〇整理編
■悩みやモヤモヤを整理
①頭に浮かんだことを洗いざらいフセンに書いて、悩みやモヤモヤを頭の外に出す。
②フセンを動かして頭と心の中を整理する。
■メリット/デメリットを洗い出して決断
①メリット/デメリットをフセンに書き出して、別の紙に貼る。
②フセンが大量に貼られた2枚の紙を見比べる。
③メリット/デメリットの中から、特に気になるフセンを3つはがして、別の紙に貼り直す。
■好き/嫌い×得意/苦手の座標で今の自分の状況を見つめてみる
①今やっている業務内容をすべて、できるだけ細かくフセンに書き出す。
②紙1枚を用意し、「好き/嫌い×得意/苦手」シートをつくる。
③書き出したフセンを1枚ずつ見ながら、その内容が4つのどの枠に入るか考えながら貼っていく。
④最後にマップを見ながら、次のことを問いかける。
・自分が「好き・得意」だけど周りの人は「嫌い・苦手」でこちらから率先して手伝えることはないか。
・「嫌い・苦手」の枠にあるフセンから、周りの人に協力してもらえそうなことはないか。
■優先順位を決める
①気になっていることをフセンに洗いざらい書き出す。
②紙1枚を用意して、「やらない」「任せる」「先送り」の3つの枠をつくる。
③書き出したフセン1枚ずつを見ながら、「やらない」から順に貼っていく。
④最後に残ったものが、「自分でやる」ものとなるがここでもうひと粘り、さらに細分化してみる。
■未来からイメージして優先順位を決める
①フセンに「やらなきゃ」「やりたい」を洗いざらい書き出す。
②紙1枚を用意して、「時間軸・空間軸」シートをつくる(現在から未来に向かうまっすぐに伸びる矢印)。
③もうこれ以上浮かばないと思ったら、シートにフセンを貼る。
■好き嫌いを出して今の感情をはっきりさせる
①最初に2色のフセンをたくさん用意する。1色は「好き」を書き出すフセン、もう1色は「嫌い」を書き出すフセン。
②日頃の不平、不満、ダメ出し・・・など、最初は「嫌い」から書き出して、紙にどんどん貼っていく。
③好き嫌いを挙げ終ったら、それらを読みなおし、同じ系統のものを集めて貼り直す。
④「私の好きなことベスト3、嫌いなことワースト3」のフセンをピックアップする。
■過去を思い出し、自分の価値観と向き合う
①「本当に楽しかったなぁ」と何度も思い出すシーンをフセンに書き出す。
②その場面を思い出しながら、自分がどんな気持ちになっているかを味わい、その何が良かったのかフセンに書き出す。
③自分にとって何が大事かをフセンに書き出す。
④「すごく悔しかった思い出」や「すごく悲しかった思い出」も人の価値観に大きな影響を与えているので、別の色のフセンに書き出していく。
⑤「楽しかった/悔しかった」をフセンに書き出したら、自分の気持ちが特に大きく揺さぶられるものを3~5つほどはがして、別の紙に貼る。
■憧れの人・苦手な人から自分の価値観を導き出す
①憧れの人からフセンに書き出す
②フセンを見ながら、今度はさらに「なぜその人、その職業に憧れるか?」という理由を書き出す。
③「憧れの人」が終わったら、「なりたくない人」をフセンに書き出し、フセンを見ながら「なぜその人になりたくないのか?」の理由も書き出す。
④「憧れの人」と「ああはなりたくない人」のフセンを見比べながら、自分が「どういう人でありたいか」を感じてみる。
■3週間後の死を想定して、本当に大切なことに気付く
①「何をやらないと悔いが残るのか」を思いつくままとにかくフセンに大量に書き出す。
②3週間21日中、どんなスケジューリングで行うとベストかを考えてみる。
③「3週間後の死」のスケジュールを見ながら、5つのことを考える
・今すぐできることはないか?
・将来の夢としてできることはないか?
・形や規模を変えて実現できることはないか?
・自分にとって本当に大事なものは何か?
・自分がないがしろにしていることは何か?
■すべての制約をはずして、本当にやりたいことに気付く
①「何の制約も無かったら、魔法の杖があったとしたら、何をしたいか?」をフセンにどんどん書き出す。
②書き出してフセンを直感で、4つのカテゴリーに分けて貼る。
③「これはぜひやりたいなぁ」と感じるフセンは、座標の中心点に近いところに貼る。
④フセンを貼り終えたら、最後に四隅の枠にカテゴリー名を記入する。
〇協力編
■心の距離を想像して、人間関係を修正する
①フセンに登場人物を書き出す。1枚に1人の名前を書く。
②フセンを動かしていく。「心の距離」や「心の向き」を思い出しながら、フセンの位置を変えていく。
③「何の制約もなかったら、どんな配置になったらいいか?」をイメージしていく。
④他の誰もが認めるその人の良いところをフセンに書き出してみる。
⑤フセンに書き出した良いところをことあるごとに伝えていく。
■想いが重なる部分を探す
①「自分はなぜそれをやりたをいのか?」の理由をフセンに大量に書き出す。
②上司の立場で「(例)なぜ売上の数字ばかり気にするのか?」という理由を想像しながら、上司の心の声をフセンに書き出す。
③②を読みなおして自分との「共有ゾーンを探す」
④お互いの共有ゾーンを見つけたら、それを相手に伝える。
■自分の言葉の傾向を見極め、伝わる言い方に変える
我慢の言い方、イヤミな言い方、攻める言い方、伝わる言い方の4区分。
①自分がその相手に想いや要求を伝えたいときにどんな言い方をしてきたか、たくさん思い出してフセンに書き出す。
②書き出したフセンを見ながら、自分は何タイプの傾向があるかを見ていく。
③そのうえで、今の自分の想いに向き合う。
④相手が最近頑張っているところ、相手が最近自分にしてくれたへの感謝をフセンに書き出す。
⑤③④のフセンを踏まえて、自分は相手に何を伝えたいのかを書き出す。
■許せない過去の怒りからの開放
①書き出しに率直な思いを込める。
②(例)父親に対して強いショックを受けた出来事について書く。
③(例)父親への感謝の気持ちを述べる。
④これからどうありたいかを伝える。
〇計画編
■ありたい姿を描いて、想いを行動に落とし込む
①「自分らしさ/ありたい姿」をフセンに書き出す。
②「自分らしさ/ありたい姿」を満たす出来事についてフセンに書き出す。
③「資源」をフセンに書き出す。
④「行動」をフセンに書き出す。
⑤「結果」をフセンに書き出す。
⑥出来上がったフセンを見直す。そして、しっくりくるようにフセンを動かし、「ちょっと違うかも」と思ったフセンは、大胆に書き直す。
■夢の実現をすごろくにして、ゴールへの道を明確にする
①大きな紙を用意し、「ゴールの姿」をフセンに書き出して貼る。
②「スタート」のフセンをつくって、紙のどこかに貼り、「スタート」と「ゴール」をつなぐ行動や出来事をフセンに書き出す。
③ひと通り書き出せたと思ったら、すごろくの形になるようにフセンを並べてみる。
④フセンを並べ終わったら、行程を想像しながら、自分の頭と心を使ってすごろくをやってみる。
■カレンダーをつくってスケジュールを確実にする
①大きな紙に1カ月カレンダーのレイアウトをイメージして、日付を書いたフセンを貼り出す。
②プロジェクトの作業を洗い出し、カレンダーに貼る。これで完成。
③各案件にスケジュールの変更が生じた場合は、フセンを動かして調整する。
■過去の成功と失敗を分析して成功法則を編み出す。
①成功させたいことをフセンに1つ書き出し「案件」の枠に貼る。
②成功例をフセンに1つ書き出す。
③「周りからの影響」と「自分の要因」をどんどんフセンに書き出して貼っていく。
④同じように、今度は失敗例を挙げる。
⑤失敗例の「周りからの影響」と「自分の要因」をフセンに書き出して貼っていく。
⑥成功例、失敗例の各要因の中から、特に自分に影響を与えていると思うフセンをそれぞれ3~4つピックアップして見ていく。
⑦この気付きをもとに、最後に「自分の成功法則」を何箇条化フセンに書き出す。
■人の行動を思い出しすぐにできることを見つける(モデリング)
①最初に「案件」の欄に、成功させたいことを1つ記入する。
②「うまくやっている人」「うまくやっていない人」をそれぞれ思い浮かべてフセンに書き出す。
③「うまくやっている人」から考えていく。
④次に「うまくやっていない人」を考えていく。
⑤「うまくやっている人」の「どういう点でうまくいっている?」で書き出したフセンの中から、「これはまだやっていなかった」と想うものをはがして、「自分にない点」の欄に貼っていく。
⑥「自分にない点」の欄に移動させたフセンのうち、「真似できそうなこと」は何があるかを考える。
⑦今度は、「うまくやっていない人」の「どういう点でうまくやっていない?」で書き出したフセンの中から、「自分もやっている」と思うものを「自分にある点」の欄に移動させる。
⑧「自分にある点」の欄に移動させたフセンのうち、「やめたほうがいいこと」をさらに移動させる。
〇行動編
■自分でできる領域を広げ、コントロール感を出す
①達成したい目標をフセンに書き出して、「目標」の欄に貼る。
②「目標に影響を与えられること」を洗いざらい書き出して、欄に貼る。
③「目標に影響を与えること」の欄に貼ったフセンのうち、自分ですぐにできることを「コントロールできること」の欄に移動させる。
④「コントロールできること」の欄に貼ったフセンの中から、もっとも効果のありそうなことをいくつか選び、欄の上の方へ移動させます。
■自分の一貫性をチェックし、本当はどうなりたいのかを知る
①「言っていること」「やっていること」「考えていること」「感じていること」「人に期待されていること」のうち、最もフセンに書き出しやすそうな枠をまず1つ選んで、どんどん書き出していく。
②1つの枠の書き出しがだいたい終わったら、次の枠、また次の枠へと進む。
③人とおり、書き出せたら、それぞれのフセンを読みなおす。
④ピックアップした5つの枠のフセンを読み比べながら、自分で気づいたことをフセンに書き出す。
⑤④で得た気づきを踏まえて、「自分は本当はどうしたいのか?」を考える。
■弱みや欠点を見つけ、逆に自分の力に変える
①「例外を探す」。それをフセンに書き出す。
②「それがあったらこそ良かったときを探す」
③「それがあったからこそ誰かの役に立っていないかを探す」
■自分の中の異なる意見を聞き、調和させて夢を実現させる
①「夢見る自分」の声をフセンにどんどん書き出す。
②「夢見る自分」が書き出したフセンのうち、特に気になるいくつかについて、想像を膨らませる。
③席を移動し、次は「ダメ出しする自分」の心の声をフセンに書き出す。
④「ダメ出しする自分」が書き出したフセンのいくつかについても、少し想像を膨らませてみる。
⑤「現実的な自分」の席から見て、両者の主張をまとめるアイデアを出す。
⑥「現実的な自分」のあなたから見て、「これはいい」と思ったアイデアをピックアップし、実現までの道のりをフセンでつくる。
いやー、フセンを使ってこれだけのことができるとは驚き。実際にワークをやってみたい!って思える内容です。本書には実践用のシートも多数書かれており、取り組みやすいと思います。まずは実践を!
フセンで考えるとうまくいく:頭と心が忙しい人のための自分整理術22
- 作者: 平本あきお,「元気が出る本」出版部
- 出版社/メーカー: 現代書林
- 発売日: 2014/02/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る