MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

心の壁の壊し方(松永茂久)

『心の壁の壊し方』(松永茂久)

 やる前から「無理」「できない」と決め込むクセがついてしまっている。心が目に見えない「壁」に囲まれたままだと、いくら素晴らしい理論を知ったとしても、結局はその「壁」に阻まれて、絵に描いた餅になってしまう。本書は、そんな心の壁を壊す3つのルール(①影響を受けること、②言葉の環境を変えること、③仲間を作ること)について、まとめられています。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇ベースは過去の経験

 うまくいく人は、常に過去の成功体験を思い出すことによって、成功したときの感情をリピートしている。できない人は、常院過去の失敗体験の記憶を思い出して、失敗したときの感情をリピートしていく。どちらの体験を頭の中でリピートしてきたかが違いになる。

 

〇どの言葉を選ぶか

 周りの人が自分に声を掛ける、どの言葉を選んで心のノートに書きこんでいくかによって、人生は大きく違ったものになる。できる人は「できる」と言われた、その言葉を選んで素直に信じただけ、できない人は、「できない」と言われた、その言葉を選んで素直に信じただけ。

 

〇素敵な勘違いと不幸な勘違い

・素敵な勘違い

 うまくいく人が持っている最強の思い込み。この素敵な勘違いがうまくいくタネを容易に見つけ出し、いい結果を出す。それがその人の思い込みになり、習慣化されるためにうまくいくようになる。

・不幸な勘違い

 「自分にはできない」と思い込んでしまうと、どんな前向きな人でも足が止まってしまう。

 

〇今の現状を生み出している6機能

①顕在意識

②潜在意識

 顕在意識が変わろうとしても、潜在意識はいつも通りの自分でいようとする。

③キープ機能

 常に人間を一定の状態に保とうとする

④セルフイメージ

 自分はこういう人間であるという自分自身の思い込み

⑤コンフォートゾーン

 セルフイメージ通りの慣れ親しんだ快適空間

⑥RAS

 下記参照

〇RAS

 一か所を見たときに、他のものにはブラインドがかかる。この不必要な情報を遮断する脳の機能のこと。人間の脳は同時に2つのものは見えない。必要に迫られたとき、もしくは自分がそれを見つけたいと思った時、人間は無意識にその情報を集めようとする。

(例)半径3m以内にある赤いものを探してください。次に、青いものを探してください。では、赤いものを見つけたとき、同時に青いものは目に入ったでしょうか。

 

〇一番の教育とは盈虚を受けること

「どんなことを教えられたか」はとても大切だが、それより「どんな人に影響を受けたか」の王がもっと大事。

 

〇憧れのモデルを見つける

 「影響を受ける」のではなく、「自分に影響を受けさせる」ように自分を動かしていく。

 

〇セルフイメージの変化

 気が付くとその環境に馴染んで、当たり前になってしまう。つまり、慣れたとき、違和感を感じなくなったとき、セルフイメージは変化している。自分の憧れのモデルを見つけて、その人の影響を受けること。

 

〇言葉が心を先導する

 いい言葉を先に出すと、そこに思考が生まれ、その後に幸せな感情がついてくる。

 

〇「未来会議」3つの約束

・3つのルール

①マイナストーク禁止

②ジャッジをしない

③うなずきの徹底

・「さあ、未来会議を始めよう!」の掛け声でスタート。

 

〇かなっちゃったわーく

・主人公は、やりたいことを仲間に話す

・聞き手は、相手がどうなっていきたいのかを一生懸命聞く

・「おめでとう、どうやってできたの?壁をどうやって壊したの?」と聞き、主人公はそこまでの道のりを相手に詳しく話す。

 

 ①影響を受けること、②言葉の環境を変えること、③仲間を作ること、この3つに意識を向けて行動していくことで、自ずと変化してくるもの。自分の過去を振り返っても、確かにそうだなぁと思える切り口。自分を取り巻く環境を意識することで、自然と「できる」方向へ向かっていくのだろうなと思います。

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