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MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。MBA講座と歩む読書生活。講座関連の書籍、講師お薦め本などを紹介。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキルなど、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

アドラー心理学を語る4 勇気づけの方法(野田俊作)

アドラー心理学を語る4 勇気づけの方法』(野田俊作)(〇)

 シリーズ全4巻の最終巻。日本におけるアドラー心理学の第一人者が、対話形式で平易に著す実践講座。相談施設を開業されている著者がアドラー心理学が現場でどのように使っていらっしゃるかがまとめられており、実践的な活用方法がイメージできる内容です。最終巻は、アドラーでよく出てくる「勇気づけ」。そもそも「勇気づけ」って何なのよから始まり、子育てでの実践例などが豊富にまとめられています。

 

(印象に残ったところ‥本書より)

〇勇気づけとは

 本来は、エンカレッジメント(Encouragement)という言葉。勇気、元気、生気。

 

〇勇気くじき

 良い人間関係というのは、横の関係。別の言葉で言えば、お互いに勇気づけし合える関係。

■褒めるのは、勇気くじき(褒めてはいけないというのは、アドラー心理学のみ)

 褒めるのは縦の関係。

■叱るのも勇気くじき

 欠点を指摘され嬉しくないし関係も悪化する。

 

〇褒めるのではなく、勇気づけを(ありがとう、うれしい)

 「ありがとう」「嬉しい」だと勇気づけられて、「偉い」「頑張ったね」だと勇気づけらないかというと、「偉い」は「あなたメッセージ」だから。「あなたは良い、あなたは悪い」というのを、こちらが判断している。

 「嬉しい」とか「ありがとう」というのは、こちらがどう感じているかを言っている「私メッセージ」。相手をいいか悪いか判断するのは、勇気くじき。こちらが判断する人であれば、当然相手より偉い。点をつける人は、点を付けられる人より偉い。そこに縦関係がある。縦関係をなくして勇気づけしたいならば、とにかく「ありがとう」「嬉しい」というネタを探すこと。

 

〇勇気づけのテクニック

①貢献や協力に注目する

・あなたのおかげでとても助かった

・あなたが嬉しそうなので、私も嬉しい

②過程を重視する

・努力したんだね

・失敗したけれど、一生懸命やったんだね

③すでに達成できている成果を指摘する

・この部分はとてもいいと思う

・ずいぶん進歩したように思う

④失敗をも受け入れる

・残念そうだね。努力したのにね。

・この次はどうすればいいだろうか

⑤個人の成長を重視する

・この前よりもずいぶん上手になったね

・一度くらい後戻りしてもいいじゃないか

⑥相手に判断をゆだねる

・あなたはどう思う?

・一番いいと思うようにすればいい

⑦肯定的な表現を使う

・気が小さいんじゃなくて慎重なんだろう

・謙虚に反省しているんだね

⑧「私メッセージ」を使う

・(私は)そのやり方は好きだ

・(私は)そのやり方をやめてほしい

⑨「意見言葉」を使う

・あなたは正しいと思う

・あなたの意見に私は賛成できない

⑩感謝し共感する

・協力してくれてありがとう

・やる気があるので嬉しい

 

〇命令口調からお願い口調へ

 お勧めしているのは、人に物を頼むときには、命令口調を使わないということ。「~しろ」とか「~しなさい」というものだけではなくて、「~してください」とか「~しなさい」とかいうものだけではなくて、「~してください」とか「~してちょうだい」というのも、命令口調。

⇒①疑問文にするとお願いになる

 「~しませんか?」「~してくれませんか?」「~していただけませんか?」

⇒②仮定文にする

 「もし~だと嬉しい」「もし~だったらありがたい」「もし~だったら助かる」

 

〇主張的主張(相手を傷つけない×要求を表明する)

・〇横の関係 ⇔ ×縦の関係

・〇理論的 ⇔ ×感情的

・〇論理的 ⇔ ×詭弁的

・〇責任ある権利主張 ⇔ ×無責任な権利主張

・〇依頼口調 ⇔ ×命令口調

・〇非固執的 ⇔ ×固執的

 

〇目的論に立つ心理学

 およそ現代のすべての心理学の理論は、根本的には、人間の行動には必ず理由(原因)があると考える。アドラー心理学だけは、目的論に立つ心理学。すなわち、人間の行動にはすべて目的がある。そのようなもくてきがあって、それを探っていくことによって問題は解決できると考える。

 

アドラー心理学に基づく学校教育の理念(4つのS)

①尊敬(⇔尊重)

 まったく対等な人間として相手を尊敬する

②責任

仕事があるという意味。「誰がやったか」ということではなく、「私にできることは何か」と考えるのが本当の責任

③社会性

 社会の中で自分の要求を通して、しかも他人を傷つけない技術あるいはその姿勢。要するに人間関係の技術。

④生活力

 生き残る力、生きていく力。教科というものを、単に知的な興味、好奇心だけからとらえるのではなくて、子供の生活力という面からとらえ直すこと。

 

 本シリーズ、全4巻。実務の現場からのフィードバックという感じで、とても実践的で分かりやすく、アドラーを学びたい方には、お勧めです。コーチングスクールでアドラー心理学をベースにしたコミュニケーションを学んだ後だからかもしれませんが、理解が早くなるとともに、以前にも増して、アドラー心理学に共感できるようになってきたと思います。

 アドラーの3原則、「自己受容」「他者信頼」「貢献感」。肝に銘じたいと思います。

勇気づけの方法 (アドラー心理学を語る4)

勇気づけの方法 (アドラー心理学を語る4)

 

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