『一流の男の勝てる服 二流の男の負ける服』(政近準子)
いつもFacebookでひときわ素敵な装いを拝見している政近さんの著書。昨秋に発売された『服は、あなた』を拝読し、服装は生き方を表しており、逆に服装から内面を変えていくことも可能だということを学び、意識的に実践に移しているところです。本書では、さらに具体的な服装に関する基本事項やマナー、アイテムなど、より具体的にどうすればいいかというヒントをたくさんいただきました。ちょっとした気遣いをすることを積み重ねることが印象に繋がる大切なことだと、あらためて自分の服装に対する姿勢・考え方に目が向きました。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇服の持つ3つの機能
この3つの機能を認識し、効果的に活用することにより、人は自己肯定感を感じるだけでなく、社会的価値を高めることができる。
①自己の確認・強化・変容
②情報伝達
③社会的相互作用の促進・抑制
〇勝負服
勝負服を意識するようになると、チャンスを掴みやすくなる。服への妥協は、毎日に張りがない証拠。
〇まずは体をつくる
着こなしのポイントは「肩と胸で着る」という意識。適度な筋トレも必要。
〇人のために装う
自己満足ではなく、他人のために装える人は「憧れ」の存在となり、人々を幸せにすることができる。
〇スーツの基本
ビジネススーツの基本色は「ダークネイビー(濃紺)」または、「ダークグレイ(チャコールグレイ)」。「黒」と「茶」はビジネススーツのベーシックカラーではないので特に注意が必要。パンツのポケットにパンパンにモノを入れる、そんなオヤジ的な着こなしは、今日からやめましょう。
〇スーツの選び方で評価が変わる
自分の立場、立ち位置、身の丈を知り「引く」「攻める」「馴染む」いずれかの戦略で、上司や取引先の信頼を勝ち取る。
〇信頼できるテーラーの選び方
立場やビジネスシーン、着用するシチュエーション(座って行う仕事化、立って行う仕事か)、クライアントやお客様に対する姿勢、ライフスタイル全般などをテーラーがきちんと理解しているか、それらに対するヒアリングと評価が丁寧で的確にできているかどうかで判断できる。
〇メンテナンス
スーツはクリーニングに出す以上に、毎日のブラシかけが長持ちの秘訣。パンツの折り目(クリースライン)をきれいにピシャッと入れる。靴は1日履いたら2日休ませる。自分でできることは自分でする。こうした積み重ねが、お金では買えない「一流の身だしなみ」を作りだす。
〇基本ブラッシングは習慣にする
天然素材やウールは、常に呼吸をしている。着用してついた汚れは、その日のうちに落とすのがベスト。
①外出先から戻ったら、脱いだ洋服はハンガーにかける
②下から上に向かってブラシをかけ、ホコリや汚れをかき出す
③上から下に向かってブラシをかけ、生地の繊維を整える
〇休日の装い
一生ファストファッションで過ごすのも一つの選択かもしれないけれど、それでは現状維持どころか、退歩かもしれない。
〇ネクタイの結び目
ネクタイの結び目は、ビジネスマンにとって重要なチェックポイント。仕事ができるかどうかは、ネクタイで判断できると言われているくらい。きゅっと結び、立体感を出す。そうすることで気落ちにも一本芯が通り、気を引き締めることができる。
「人は制服通りの人間になる」(ナポレオン・ボナパルト)という言葉あるように人生は着ている服で決まる。妥協した服で毎日を過ごせば、人生そのものに妥協が生じる。冒頭のことばが印象的な本書。自分なりのスタイルを考えるだけで、普段の生活にも楽しみがひとつ増える気がします。当たり前の毎日の中で気に留めておきたいテーマでした。